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異邦人の庭 〜secret garden〜
第13章 ミスオブ沙棗の涙 〜初恋のゆくえ〜
「…そんな…お母様…」
…それでは、私が今まで憎み続けていた母親は何だったのだろう…。
母親に復讐するために、誰よりも誇らしく美しい完璧な人生を歩むと、幸せになると、それだけを考え続けてきた私は…。

池の水面をぼんやり眺めていた蒔子がふと振り返り、眩しげに紫織を見上げた。
どこか幼気な…迷子の子どものような表情だ…。
こんな蒔子は初めて見る。

紫織の胸の中が激しく波打つ。
…しかし、この気持ちは憤りよりは戸惑いと…まごうことなき、蒔子への憐憫と…愛おしさに似た切ない気持ちだ。

「…あのなあ、紫織さん。
蒔子ちゃんを京都に連れていこうと思うねん。
そんで、京都の実家で療養させようて思うねん」
紫織は驚いて曄子を見上げた。

「叔母様…?」
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