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異邦人の庭 〜secret garden〜
第3章 コンテ・ド・シャンボールの想い人
…やがて訪れたクリスマスイブの日、朝から紗耶は有無を言わせず普段は滅多に使われない和室に連れてこられ、テルに髪を結い上げられた。
「本当はアップにされた方がいいんでしょうけれど…紗耶お嬢様のお髪は絹糸のようにお美しいですから、上のお髪だけを束ねてこの真珠の髪留めを飾りましょう。
宇和島産の本真珠でございますよ。
…まあ、奥様は素晴らしいお品をお持ちですこと…!」
テルは浮き浮きしたように支度を進める。

次に紗耶は振袖を着せられた。
「…まあ、このお振袖の見事なこと…!
京友禅の薔薇模様は本当に珍しいですよ。
少しも安っぽくなく上品で、しかも可憐で…紗耶お嬢様にぴったりですねえ。
この薔薇色とお花模様の華やかでお美しいこと…!
…奥様のお嫁入りご衣装のご一着だそうですけれど、まだ仕付け糸がついたままですから新品ですね。
奥様はお若くしてお輿入れなされたからでしょうね」
陽気に喋りながらもてきぱきと紗耶の着付けを進めるテルに、慌てて尋ねる。
「あの…テルさん。私、何で振袖を着せられているの?
高遠ご本家にクリスマスのご挨拶に伺うだけなのでしょう?」
政彦からはそれだけを昨夜聞かされたのだ。
…クリスマスイブに本家に挨拶にゆくことは今までも何度かあったので別段驚かないが、なぜ着物を着てゆくのだろうか。

「それが私も何も伺っていないんですよ。
ただお嬢様のお髪とお着付けを申しつかっただけで…。
…何かサプライズパーティーがあるのでしょうかねえ?」
テルは福々しい貌でわくわくしたように笑った。
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