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異邦人の庭 〜secret garden〜
第13章 ミスオブ沙棗の涙 〜初恋のゆくえ〜
「…できたわ…。
これでいいかしら…」
紫織は政彦のための夕食をテーブルの上に並べ終え、ふうっと息を吐いた。
…トマトクリームスープのロールキャベツに鰯のマリネ、海老のしんじょ揚げ、コールスローサラダ、舞茸としめじの炊き込みご飯…。
なんだか脈絡のないメニューになってしまったが、どれも政彦の好物ばかりだ。
…これから、恋しい男に会いにゆくというのに、夫の好物を熱心に作る自分はしたたかなのだろうか…。
それとも、無神経…あるいは鈍感なのだろうか…。
紫織は小さくため息を吐く。
…分からない…。
分からないが、ただひとつだけ言えることは、この食事を政彦が喜んでくれたらいいな…と思うことだ。
政彦が美味しそうに食べてくれたらいいな…と思うことだ。
それだけは、嘘偽りのない真実なのだった。
紫織はそれぞれの料理を綺麗にラップすると、冷蔵庫に仕舞った。
そうして、出かける支度をするべくエプロンを外し、キッチンを後にしたのだった。
これでいいかしら…」
紫織は政彦のための夕食をテーブルの上に並べ終え、ふうっと息を吐いた。
…トマトクリームスープのロールキャベツに鰯のマリネ、海老のしんじょ揚げ、コールスローサラダ、舞茸としめじの炊き込みご飯…。
なんだか脈絡のないメニューになってしまったが、どれも政彦の好物ばかりだ。
…これから、恋しい男に会いにゆくというのに、夫の好物を熱心に作る自分はしたたかなのだろうか…。
それとも、無神経…あるいは鈍感なのだろうか…。
紫織は小さくため息を吐く。
…分からない…。
分からないが、ただひとつだけ言えることは、この食事を政彦が喜んでくれたらいいな…と思うことだ。
政彦が美味しそうに食べてくれたらいいな…と思うことだ。
それだけは、嘘偽りのない真実なのだった。
紫織はそれぞれの料理を綺麗にラップすると、冷蔵庫に仕舞った。
そうして、出かける支度をするべくエプロンを外し、キッチンを後にしたのだった。