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異邦人の庭 〜secret garden〜
第13章 ミスオブ沙棗の涙 〜初恋のゆくえ〜
紫織も窓の外を見上げた。
…綺麗な冬の星座が墨色の夜空に、夢のようにきらきらと瞬いていた。
窓の前に、すらりと背の高い夫のシルエットがくっきりと浮かび上がる。
…それは紫織に計り知れない安心感と、静謐な感動を与えた。
「…綺麗だねえ、紗耶ちゃん…。
…さあ、お星さまといっしょにねんねしようね…」
…ゆっくりと紗耶をあやしながら、政彦は静かに歌い出したのだ。
「…きらきらひかる、お空の星よ…」
童謡のきらきら星だ。
…決して上手くはない。
けれど、静かで温かいその唄声は、紫織の胸に穏やかに染み入ってゆく…。
紫織の視線に、政彦は照れたように笑った。
「…音痴なんだ。
ごめんね」
紫織は首を振った。
「そんなことないわ。
とてもすてき…。
…もっと聴きたいわ…貴方の唄を…」
照れ臭そうに笑うと、政彦は静かに歌を続けた。
「…twinkle twinkle little star…」
…政彦の英語は綺麗なブリティッシュイングリッシュであった…。
そう言えば高校生の時に一年間、英国のウェストミンスター校に留学していたと言ってたっけ…。
紗耶の泣き声はすっかり収まった。
喃語でお話しすら始めているようだ。
「…もう眠りなさい。
紗耶は大丈夫だよ…」
歌の合間に、紫織に優しく促した。
紫織は頷いて、素直に瞼を閉じた。
「…Like a diamond in the sky…」
美しいイギリス英語の唄を聴きながら、うつらうつらと眠りの世界に引き込まれる。
…このひとと結婚して…良かった…。
紫織はたしかにそう思ったのだ。
…綺麗な冬の星座が墨色の夜空に、夢のようにきらきらと瞬いていた。
窓の前に、すらりと背の高い夫のシルエットがくっきりと浮かび上がる。
…それは紫織に計り知れない安心感と、静謐な感動を与えた。
「…綺麗だねえ、紗耶ちゃん…。
…さあ、お星さまといっしょにねんねしようね…」
…ゆっくりと紗耶をあやしながら、政彦は静かに歌い出したのだ。
「…きらきらひかる、お空の星よ…」
童謡のきらきら星だ。
…決して上手くはない。
けれど、静かで温かいその唄声は、紫織の胸に穏やかに染み入ってゆく…。
紫織の視線に、政彦は照れたように笑った。
「…音痴なんだ。
ごめんね」
紫織は首を振った。
「そんなことないわ。
とてもすてき…。
…もっと聴きたいわ…貴方の唄を…」
照れ臭そうに笑うと、政彦は静かに歌を続けた。
「…twinkle twinkle little star…」
…政彦の英語は綺麗なブリティッシュイングリッシュであった…。
そう言えば高校生の時に一年間、英国のウェストミンスター校に留学していたと言ってたっけ…。
紗耶の泣き声はすっかり収まった。
喃語でお話しすら始めているようだ。
「…もう眠りなさい。
紗耶は大丈夫だよ…」
歌の合間に、紫織に優しく促した。
紫織は頷いて、素直に瞼を閉じた。
「…Like a diamond in the sky…」
美しいイギリス英語の唄を聴きながら、うつらうつらと眠りの世界に引き込まれる。
…このひとと結婚して…良かった…。
紫織はたしかにそう思ったのだ。