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異邦人の庭 〜secret garden〜
第13章 ミスオブ沙棗の涙 〜初恋のゆくえ〜
不意に息を呑むほど強い力で紫織は抱き竦められた。
「…当たり前じゃないか!
君以外に僕の妻はいない。
僕が…どれだけ君を愛しているか…君はまだ知らないだろう…。
…ああ…良かった…!
僕はてっきり君が彼のもとに行ってしまうのかと思った。
…怖かった…すごく…」
「…政彦さん…」
抱き締める力は一向に弱まらない。
「…良かった…本当に…良かった…」
…政彦の声は微かに震えていた。
政彦の強い腕に抱かれながら、紫織は今まで感じたことのないときめきに似た胸の高鳴りを感じた。
「…本当に…許してくださるの?」
「もちろんだよ。
…その…たとえ君が…彼と何かあったとしても…僕は気にしない」
自分に言い聞かせるような切なげな声に、紫織は政彦の心中を初めて察した。
「…ないわ」
「…へ?」
「何もなかったわ」
「…へ?」
「…キスは二度したけれど、彼と一線を超えてはいないわ」
「…あの…つまり…その…彼と…セックス…してないの⁈」
「ええ…。
…だって、貴方のきらきら星が不意に聴こえたんですもの…。
もう貴方以外のことを考えられなかったわ」
腕を緩め、紫織の貌を引き寄せると、政彦は深く息を吐いた。
「…自分の音痴にこんなに感謝したことはないよ…」
紫織は政彦の髪をそっと撫でた。
「…じゃあ今夜、私に唄って…」
二人は同じ泣き笑いの表情で…けれど幸せそうに見つめ合った。
「…当たり前じゃないか!
君以外に僕の妻はいない。
僕が…どれだけ君を愛しているか…君はまだ知らないだろう…。
…ああ…良かった…!
僕はてっきり君が彼のもとに行ってしまうのかと思った。
…怖かった…すごく…」
「…政彦さん…」
抱き締める力は一向に弱まらない。
「…良かった…本当に…良かった…」
…政彦の声は微かに震えていた。
政彦の強い腕に抱かれながら、紫織は今まで感じたことのないときめきに似た胸の高鳴りを感じた。
「…本当に…許してくださるの?」
「もちろんだよ。
…その…たとえ君が…彼と何かあったとしても…僕は気にしない」
自分に言い聞かせるような切なげな声に、紫織は政彦の心中を初めて察した。
「…ないわ」
「…へ?」
「何もなかったわ」
「…へ?」
「…キスは二度したけれど、彼と一線を超えてはいないわ」
「…あの…つまり…その…彼と…セックス…してないの⁈」
「ええ…。
…だって、貴方のきらきら星が不意に聴こえたんですもの…。
もう貴方以外のことを考えられなかったわ」
腕を緩め、紫織の貌を引き寄せると、政彦は深く息を吐いた。
「…自分の音痴にこんなに感謝したことはないよ…」
紫織は政彦の髪をそっと撫でた。
「…じゃあ今夜、私に唄って…」
二人は同じ泣き笑いの表情で…けれど幸せそうに見つめ合った。