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異邦人の庭 〜secret garden〜
第13章 ミスオブ沙棗の涙 〜初恋のゆくえ〜
「…紫織…」
政彦の手が優しく紫織の顎を引き寄せる。
…そっと眼を閉じながら、ある思いが閃いて瞼を開いた。
「な、何?」
政彦が慌てる。
「…あのね、政彦さん…。
お願いがあるの」
「何?」
「…私に貴方の香りを調合させて。
…今更、嫌かしら…?」
…このひとにぴったりな特別優しいすてきな薫りを調合したい…。
少し不安げに見上げる。
政彦の眼鏡の奥の瞳が泣き出しそうに細められた。
「…嬉しいよ…すごく…」
…再び、政彦の貌が近づき…
「…あ!…それから…!」
「な、何?」
慌てる政彦に微笑んで尋ねる。
「週末のヴィーガンのお店の予約はまだ有効?
楽しみにしていたのよ…」
政彦がくしゃりと破顔して…
「もちろん…!
キャンセルしなくて良かった…!」
「…ありがとう。
…あのね、私…」
続けようとする紫織の桜色の口唇に人差し指を押し当て、少し焦れたように…けれど幸せそうに囁いたのだ…。
「…続きは、キスしてからね…」
政彦の手が優しく紫織の顎を引き寄せる。
…そっと眼を閉じながら、ある思いが閃いて瞼を開いた。
「な、何?」
政彦が慌てる。
「…あのね、政彦さん…。
お願いがあるの」
「何?」
「…私に貴方の香りを調合させて。
…今更、嫌かしら…?」
…このひとにぴったりな特別優しいすてきな薫りを調合したい…。
少し不安げに見上げる。
政彦の眼鏡の奥の瞳が泣き出しそうに細められた。
「…嬉しいよ…すごく…」
…再び、政彦の貌が近づき…
「…あ!…それから…!」
「な、何?」
慌てる政彦に微笑んで尋ねる。
「週末のヴィーガンのお店の予約はまだ有効?
楽しみにしていたのよ…」
政彦がくしゃりと破顔して…
「もちろん…!
キャンセルしなくて良かった…!」
「…ありがとう。
…あのね、私…」
続けようとする紫織の桜色の口唇に人差し指を押し当て、少し焦れたように…けれど幸せそうに囁いたのだ…。
「…続きは、キスしてからね…」