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異邦人の庭 〜secret garden〜
第13章 ミスオブ沙棗の涙 〜初恋のゆくえ〜
ヴィーガンとは卵、動物性蛋白質、はちみつなどを一切口にしない完全菜食主義者のことである。
彼らはベジタリアンから一歩進んだ考え方を持っていて、精神のバランスを整えるためにヴィーガン食を選択している人が多い。
紫織は菜食主義者ではないが、ハーブを研究している中でヴィーガンに興味を持ち始めていたのだ。

運ばれてくる料理はすべておいしかった。
ヴィーガン料理もそうでないものも素材が丁寧に吟味され、繊細に料理され、見た目もとても鮮やかで美しかった。

「ひよこ豆って美味しいんだね。
こうしてみると、ヴィーガン料理は意外にボリュームがあって食べ甲斐があるね。
砂糖や乳製品を使わなくてもとても美味しいし、豊かな感じがしたよ」
政彦は通常の子羊のローストなどを選んだのだが、紫織がオーダーしたヴィーガンメニューのソッカというひよこ豆のパンケーキや有機野菜の温サラダ…かぼちゃとりんごとフェンネルのサラダ…などを興味深げにシェアして食べたのだ。
紫織も感心して頷いた。
「本当ね。
デザートもちゃんと食べ応えあるし…。
最近、ベジタリアンの生徒さんが増えたから、メニューをどうしようかと思っていたの。
こんな風にしたら満足してもらえそう。
これなら、ベジタリアンでなくても好んで食べたくなるわね。
ヘルシーだし美容にも良いのは女性には嬉しいわ」
紫織はアロマ教室の生徒たちに月に一回、ランチ会を開催し料理を振る舞っていたのだが、それが好評となり、最近はランチ目当てで入会する生徒も増えた。
そろそろ、メニューを増やさなくてはと思っていた矢先だったので、ヴィーガン料理は紫織にとって良いヒントになったのだ。

…あの頃、堂島さんはオーガニック野菜のレストランを出店しようとしていたわ…。
それが成功してヴィーガン料理店に発展したのかもしれない。
堂島はああ見えてなかなかにセンスと商才のある実業家なのだと密かに感心もした。

「…ねえ、紫織…。さっきのオーナーだけど…」
政彦が少し気掛かりの様子で尋ねてきた。

紫織は柔らかく微笑する。
「ご心配なさらないで。
堂島さんとは何もないわ。
ただの昔の知り合いよ…」

…かつて、藤木が忘れられず、彼に恋しようとした。
けれど、やはりできなかった。
…今では微かな甘い痛みとともに甦る懐かしい青春の1ページだ…。

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