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異邦人の庭 〜secret garden〜
第3章 コンテ・ド・シャンボールの想い人
「…紗耶ちゃん、お支度はできたかしら?」
現れたのは紫織だった。
…長く美しい髪を束髪に結い、椿が品の良く描かれた鳩羽紫色の訪問着を身に纏った紫織は、人妻らしいしっとりとした落ち着いた色香に溢れていた。
紫織は紗耶の振袖姿を見ると、一瞬息を呑んだ。
「…まあ、紗耶ちゃん…。とても綺麗よ」
美しい瞳を細め、紗耶に近づく。
「振袖がよく似合うわね。
紗耶ちゃんにあまりお着物を着せてこなかっだけれど、貴女は和装がよく似合うこと…。
とても可愛いわ」
優しい仕草で髪を撫でる。
「…お母様のお振袖が素晴らしいからだわ。
この薔薇模様、紗耶が好きだから選んでくださったのでしょう?」
紗耶は嬉しそうに微笑む。
テルが気を利かせ和室を退出し、二人きりになる。
…紗耶は、あの夜の後のことを思い出す…。
現れたのは紫織だった。
…長く美しい髪を束髪に結い、椿が品の良く描かれた鳩羽紫色の訪問着を身に纏った紫織は、人妻らしいしっとりとした落ち着いた色香に溢れていた。
紫織は紗耶の振袖姿を見ると、一瞬息を呑んだ。
「…まあ、紗耶ちゃん…。とても綺麗よ」
美しい瞳を細め、紗耶に近づく。
「振袖がよく似合うわね。
紗耶ちゃんにあまりお着物を着せてこなかっだけれど、貴女は和装がよく似合うこと…。
とても可愛いわ」
優しい仕草で髪を撫でる。
「…お母様のお振袖が素晴らしいからだわ。
この薔薇模様、紗耶が好きだから選んでくださったのでしょう?」
紗耶は嬉しそうに微笑む。
テルが気を利かせ和室を退出し、二人きりになる。
…紗耶は、あの夜の後のことを思い出す…。