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異邦人の庭 〜secret garden〜
第3章 コンテ・ド・シャンボールの想い人
…あの夜のあと、紗耶は紫織に謝った。
「…ごめんなさい。お母様。
私、お母様に怒鳴ったりして…酷いことを言ったわ。
お母様は私のことを心配してくださったのに…」
…すべては自分の八つ当たりなのに…と。
千晴に愛されている紫織が羨ましくて仕方なかったのだ。
紫織は美しい瞳を潤ませ、首を振った。
「いいえ。お母様がいけなかったの。
私こそ、ごめんなさい。
たしかに私は無意識に、紗耶ちゃんをいつまでも子ども扱いしていたわ。
貴女はちゃんと成長していたのにね…。
いつまでも私の可愛い紗耶ちゃんでいてほしくて…私のエゴね」
「そんなことない…!
お母様は人一倍手のかかる私を、一度も怒ったりなさらずに優しく見守ってくださったのに…。
ごめんなさい、お母様」
「紗耶ちゃん…。
大好きよ」
紫織が優しく紗耶を抱きしめた。
…そうだ。
紫織はいつも、紗耶を肯定し、愛情を示してくれた。
だから、紗耶はいつもこの家で、家族の中で幸せに居心地良く無邪気に暮らせたのだ。
優しい両親に愛されて…何不自由なく、幸せに…。
…紫織からは、ジャスミンの薫りがふわりと漂った。
紗耶の一番好きな、気持ちが落ち着く、紫織のアロマだ。
「…お母様…、大好き」
紫織に強く抱きついた。
…千晴お兄ちゃまは、お母様を愛していらっしゃるけれど、私はやっぱりお母様が大好きなんだ…。
お母様はどなたを愛しているのか…まだ分からないけれど…。
美しく優しく、艶やかな…どこか神秘的な母を、紗耶は心から愛していると改めて感じたのだった。
「…ごめんなさい。お母様。
私、お母様に怒鳴ったりして…酷いことを言ったわ。
お母様は私のことを心配してくださったのに…」
…すべては自分の八つ当たりなのに…と。
千晴に愛されている紫織が羨ましくて仕方なかったのだ。
紫織は美しい瞳を潤ませ、首を振った。
「いいえ。お母様がいけなかったの。
私こそ、ごめんなさい。
たしかに私は無意識に、紗耶ちゃんをいつまでも子ども扱いしていたわ。
貴女はちゃんと成長していたのにね…。
いつまでも私の可愛い紗耶ちゃんでいてほしくて…私のエゴね」
「そんなことない…!
お母様は人一倍手のかかる私を、一度も怒ったりなさらずに優しく見守ってくださったのに…。
ごめんなさい、お母様」
「紗耶ちゃん…。
大好きよ」
紫織が優しく紗耶を抱きしめた。
…そうだ。
紫織はいつも、紗耶を肯定し、愛情を示してくれた。
だから、紗耶はいつもこの家で、家族の中で幸せに居心地良く無邪気に暮らせたのだ。
優しい両親に愛されて…何不自由なく、幸せに…。
…紫織からは、ジャスミンの薫りがふわりと漂った。
紗耶の一番好きな、気持ちが落ち着く、紫織のアロマだ。
「…お母様…、大好き」
紫織に強く抱きついた。
…千晴お兄ちゃまは、お母様を愛していらっしゃるけれど、私はやっぱりお母様が大好きなんだ…。
お母様はどなたを愛しているのか…まだ分からないけれど…。
美しく優しく、艶やかな…どこか神秘的な母を、紗耶は心から愛していると改めて感じたのだった。