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第13章 ミスオブ沙棗の涙　〜初恋のゆくえ〜

政彦が息を呑んだ。
そうして、うっとりとしたように呟いた。

「…綺麗だ…紫織…」
政彦が身体を重ねながら、注視する。
「…ああ…。
君は昔と少しも変わらない…」
紫織は思わず両手で貌を覆った。
「…いや…はずかし…い…。
…そんなに…見ないで…」
…変わらないはずはない…。
自分はもう四十なのだ…。
若くはない…。
バストのラインも崩れ始めているかもしれない…。
ヒップラインだって…。
…こんな…灯りのもとに晒されて良いような身体ではないのかもしれない…。

紫織の心を読み取ったかのように、政彦が優しく答える。
「…綺麗だよ…。
昔のままだ…何もかも…。
綺麗で清らかで眩しくて…触れていいのか、畏れをなしてしまうくらいに…」
「…政彦さん…」
思わず見上げるその手を優しく絡め取られ、外される。
「…紫織…」
「…あ…ん…っ…」
…そのまま、再び口唇を貪られる。
それはいつもの紳士的な、穏やかな口づけではない。
貪欲に舌を求め、絡めてくる荒々しい口づけだ。

「…んんっ…は…ああ…ん…っ…」
「…紫織…！早く君が欲しい…！」
千切れそうなほどに強く舌を吸われる。
「…んん…っ…は…あ…っ…ん…」
「…ごめん…我慢できないかもしれない…」
唸るように囁かれ、大胆に乳房を弄られる。
「…ああっ…！」
真珠色の乳房を強く握りしめられ、猥雑な動きで捏ねくり回される。
…紫織の知る政彦の愛撫ではない。
切羽詰まったような、野卑な仕草の愛撫だ。
…まるで…知らない男に…乱暴に犯されてしまうみたい…。
その背徳的な妄想に、からだが熱く燃え上がる。

両の乳房を鷲掴みにされ、激しく愛撫される。
愛撫により、淫らに勃ち上がった紅梅色の乳暈を強く捻られる。

「…ああ…いや…あ…ん…っ…」
…こんな風に…乱暴に愛されたことは初めてだ…。
藤木も、政彦も、常に紫織を大切な姫君のように扱っていたからだ。

涙ぐむ紫織に、政彦が薄く微笑う。
「…可愛いな…紫織…。
これくらいで…泣きそうになって…。
幼気な少女のようだ…。
…そんな君を僕は…」

…まるで…

薄桃色に染まった耳朶に淫らに囁き、甘噛みされる。

「…君を…無理やり犯そうとしているみたいだ…」

…その言葉は、紫織の身体を甘く震わせ、体内の奥底から淫らな蜜をとろりと滴らせた…。

「…あぁ…いや…あ…」