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異邦人の庭 〜secret garden〜
第14章 ミスオブ沙棗の涙 〜コーネリアの娘の呟き〜
…不意に、苦々しい咳払いするような男性の気配がして、二人は慌てて離れた。
振り返る先に佇むのは…。
「…千晴は僕との約束をすっかり忘れてしまったようだな」
ジロリと千晴を睨む振りをする政彦だ。
政彦はすらりとした長身の身体に明るい色合いのジャケットを羽織り、少し若返ったような印象だ。
「お茶の時間に招待されたのだが…お邪魔だったかな?」
悪戯めいた表情で笑う様も、いつもの父親より洒脱で遊びが感じられる。

「お父様!」
紗耶は歓声を上げ立ち上がり、父親に駆け寄る。
「お父様!
…お母様も!」
政彦の陰には寄り添うような近い距離で紫織が微笑んでいた。
「紗耶ちゃん。ご機嫌よう。お久しぶりね」
…紫織は艶やかな長い髪を綺麗に顎の下で切りそろえ、楚々としたボブカットにしていた。
常にロングヘアの女性らしい優美な母親しか記憶にない紗耶は、眼を丸くした。
「お母様、髪を切られたの?」
「ええ。
…色々と忙しくなりそうだから、手間の掛からない髪型の方が良いと思って…」
答える紫織に間髪を入れずに政彦が優しく笑いかける。
「短い髪もとても良く似合うよ。 
紫織は美人だからなんでも似合う」
紫織がはにかむように俯き、政彦の腕を軽く叩いた。
「嫌だわ。貴方ったら…」
政彦が紫織の美しい髪を愛おしげに撫でる。
「本当のことだ。僕は正直者だからね」
「…もう…!政彦さんたら…」
…二人を取り巻く雰囲気が、なんだかやたらに甘い…。
砂糖菓子のように甘く…艶かしい…。
紗耶は千晴と眼を見合わせた。

…お母様も、なんだかいつもと違うわ…。
紗耶は呆気に取られた。
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