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異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ
「…二宮…紗耶さん…」
藤木はその端正な眉を少し上げ、紗耶をじっと見つめた。

…歳の頃は父親の政彦くらいだろうか。
けれどどこか年齢不詳に見えるのは、その美しい榛色の瞳のせいかも知れない。

紗耶は少しどきどきしながら挨拶をした。
「…初めまして。
英文学科一年の二宮紗耶です。どうぞよろしくお願いいたします」

藤木は暫く紗耶を見つめたのち、ふわりと微笑んだ。
笑うとその美しい瞳の色は更に明るく輝くように見えた。
「…藤木芳人です。
こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。
…失礼ですが、紗耶さんは婚約されている…と仰いましたね?」
いきなりの質問にどぎまぎしている紗耶の代わりに、清瀧が説明する。
「学生で珍しいでしょ?
…彼女はかの有名なあの高遠一族のお嬢さんなんですよ」
「…高遠…」
藤木が小さく息を呑んだかに見えた。

…そんなに驚くほど有名なのかしら…と紗耶は思う。
自分は分家だし、意識したことがないからよく分からないけれども…。

すると、清瀧がまるで詩の暗唱をするかのように二人の紹介をした。
…賞賛と…そして温かな眼差しで紗耶を見遣りながら…。

「ええ。
あの歴史的にも名高い伝説の一族・高遠家です。
本家の当主が僕の親友でね。
紗耶さんは、その彼の元に近い将来嫁ぐお嬢さんなんです。
…親友は容姿端麗で夢の世界の王子様のようだし…紗耶さんは今時珍しくらいに楚々とした淑やかで美しいお姫様のようだし…まさにお伽話のカップルみたいですよ。
…見ていてとても嬉しいような、誇らしい気持ちになります」



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