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異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ
「…そんな…私なんか…」
過分に褒められて、穴があったら入りたい気持ちになる。
…大して美しくもない自分を、目の前の藤木という男はどう思うのかと…。
「…私なんか…美しくはないです…。
…お母様…私の母は美しいひとですけれど…」
しどろもどろに弁解する。
藤木が眼を見張る。
「…紗耶さんのお母様…。
…どのような方なのですか?」
「…とても綺麗なひとです。
自分の母のことをこんなふうに褒めるのは可笑しいかもしれませんが、美しくて賢くて優しくて…優雅でセンスが良くて…。
…アロマテラピーのお教室を主宰しているのですけれど、母が調合するアロマは本当に素晴らしいんです。
…あ、こんな話…すみません」
…初対面のひとに…しかも大学の教授に話すような話ではないと紗耶は慌てて詫びる。
頭を下げる紗耶に静かな声がかかった。
「いいえ、ちっとも。
…紗耶さんは素敵なお母様に育てられたのですね。
貴女は幸せなお嬢さんだ…」
恐る恐る頭を上げる。
…榛色の美しい瞳が、紗耶に優しく微笑みかけていた。
過分に褒められて、穴があったら入りたい気持ちになる。
…大して美しくもない自分を、目の前の藤木という男はどう思うのかと…。
「…私なんか…美しくはないです…。
…お母様…私の母は美しいひとですけれど…」
しどろもどろに弁解する。
藤木が眼を見張る。
「…紗耶さんのお母様…。
…どのような方なのですか?」
「…とても綺麗なひとです。
自分の母のことをこんなふうに褒めるのは可笑しいかもしれませんが、美しくて賢くて優しくて…優雅でセンスが良くて…。
…アロマテラピーのお教室を主宰しているのですけれど、母が調合するアロマは本当に素晴らしいんです。
…あ、こんな話…すみません」
…初対面のひとに…しかも大学の教授に話すような話ではないと紗耶は慌てて詫びる。
頭を下げる紗耶に静かな声がかかった。
「いいえ、ちっとも。
…紗耶さんは素敵なお母様に育てられたのですね。
貴女は幸せなお嬢さんだ…」
恐る恐る頭を上げる。
…榛色の美しい瞳が、紗耶に優しく微笑みかけていた。