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異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ
教務課に訳を話し、清瀧の午後の講義を休講にしてもらった。
「おお、おめでたかね。清瀧先生は!
赤飯ば炊かにゃ!」
博多弁の教務課の主任が歓声を上げた。
紗耶は慌てて訂正する。
「いえ、清瀧先生はおめでたではないです。
ご出産は奥様です」
「…んなこと、わかっとるわ。
あんたもマジメじゃのう。
…はあ〜ん…。
こりゃまたお姫様みたいな女学生やのう。
ウチの大学では珍しかあ〜。
…お姫様、転ばんように気ィつけんしゃい。
そこん階段、滑るけんね」
「…お姫様じゃないです!失礼します!」
…如何にも手練れた教務主任とのやりとりに少しムッとしながら再び清瀧の研究室に戻ると、藤木が一人の派手目な女子学生と話し込んでいた。
「先生〜、イケメン〜!
清瀧先生もイケメンだけど、また違ったタイプのイケメン!
ねえねえ、先生、いくつ?」
「いくつに見えるかな?」
「三十?…教授だもんね。も少し上?」
藤木がにっこり笑いかける。
「君のお父さんくらいの歳だよ。も少し上かもね」
女子学生が嬌声を上げる。
「うっそ〜!見えな〜い!」
「おお、おめでたかね。清瀧先生は!
赤飯ば炊かにゃ!」
博多弁の教務課の主任が歓声を上げた。
紗耶は慌てて訂正する。
「いえ、清瀧先生はおめでたではないです。
ご出産は奥様です」
「…んなこと、わかっとるわ。
あんたもマジメじゃのう。
…はあ〜ん…。
こりゃまたお姫様みたいな女学生やのう。
ウチの大学では珍しかあ〜。
…お姫様、転ばんように気ィつけんしゃい。
そこん階段、滑るけんね」
「…お姫様じゃないです!失礼します!」
…如何にも手練れた教務主任とのやりとりに少しムッとしながら再び清瀧の研究室に戻ると、藤木が一人の派手目な女子学生と話し込んでいた。
「先生〜、イケメン〜!
清瀧先生もイケメンだけど、また違ったタイプのイケメン!
ねえねえ、先生、いくつ?」
「いくつに見えるかな?」
「三十?…教授だもんね。も少し上?」
藤木がにっこり笑いかける。
「君のお父さんくらいの歳だよ。も少し上かもね」
女子学生が嬌声を上げる。
「うっそ〜!見えな〜い!」