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異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ
「…先生の…?」
…どうして…?
と、聞きかけた紗耶に、藤木は静かに首を振った。
「…いや、よそう…。
こんなおじさんの恋愛話を紗耶さんみたいな若いお嬢さんに聞かせても見苦しいだけだ」
「…そんなこと…」
藤木がやんわりと話を打ち切るように話題を変えた。
「この眼の色はね、曽祖父がイギリスの血を引いていたかららしい。
祖父も母も黒い瞳だったのにね。不思議だよ。
隔世遺伝…かな?」
「…それで…」
なんとなくはぐらかされたような気持ちになりながらも、紗耶は感心して頷いた。
…そうしてふと、胸に浮かんだひとりの面影を口にした。
「…あの…お兄ちゃま…私の婚約者も綺麗な鳶色の瞳なんです」
藤木が意外そうに眉を上げた。
「…君のフィアンセが?」
…どうして…?
と、聞きかけた紗耶に、藤木は静かに首を振った。
「…いや、よそう…。
こんなおじさんの恋愛話を紗耶さんみたいな若いお嬢さんに聞かせても見苦しいだけだ」
「…そんなこと…」
藤木がやんわりと話を打ち切るように話題を変えた。
「この眼の色はね、曽祖父がイギリスの血を引いていたかららしい。
祖父も母も黒い瞳だったのにね。不思議だよ。
隔世遺伝…かな?」
「…それで…」
なんとなくはぐらかされたような気持ちになりながらも、紗耶は感心して頷いた。
…そうしてふと、胸に浮かんだひとりの面影を口にした。
「…あの…お兄ちゃま…私の婚約者も綺麗な鳶色の瞳なんです」
藤木が意外そうに眉を上げた。
「…君のフィアンセが?」