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異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ
「…どうして、そんなことを…?」
藤木が静かに尋ねる。
…それは…
この先は、決して言ってはならないことなのだ。
少なくとも、婚約者がいる娘が言うような言葉ではない。
…そんなことは、世間知らずで未熟な紗耶でも分かる。
…でも…
「…わかりません…。
ただ…私…最近ずっと先生のことばかり考えてしまうのです」
藤木が息を呑む気配が伝わってくる。
…言いたくて、胸が苦しいのだ。
この想いの正体を、目の前の男に告げなくては…。
そうしなくては…。
「…先生といると、どきどきします。
先生といると、胸が苦しくなります。
先生といると、自分が自分じゃないような気持ちになるのです。
…私、こんな気持ち初めて…。
お兄ちゃまといても、こんな気持ちになったことはなかったわ。
…これって…これって…」
それは、たった一文字で表せられるのではないか…。
…恋…と…。
その言葉が、紗耶の震える桜色の口唇から零れ落ちる前に、藤木が冷淡とも取れるような口調で言い放ったのだ。
「紗耶さん、やめなさい。
その先は、決して言ってはならない」
藤木が静かに尋ねる。
…それは…
この先は、決して言ってはならないことなのだ。
少なくとも、婚約者がいる娘が言うような言葉ではない。
…そんなことは、世間知らずで未熟な紗耶でも分かる。
…でも…
「…わかりません…。
ただ…私…最近ずっと先生のことばかり考えてしまうのです」
藤木が息を呑む気配が伝わってくる。
…言いたくて、胸が苦しいのだ。
この想いの正体を、目の前の男に告げなくては…。
そうしなくては…。
「…先生といると、どきどきします。
先生といると、胸が苦しくなります。
先生といると、自分が自分じゃないような気持ちになるのです。
…私、こんな気持ち初めて…。
お兄ちゃまといても、こんな気持ちになったことはなかったわ。
…これって…これって…」
それは、たった一文字で表せられるのではないか…。
…恋…と…。
その言葉が、紗耶の震える桜色の口唇から零れ落ちる前に、藤木が冷淡とも取れるような口調で言い放ったのだ。
「紗耶さん、やめなさい。
その先は、決して言ってはならない」