この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ
「…あ〜あ…。
本当にいっちゃったよ…」
遠ざかるバイクを見送りながら、アネゴは半ば呆れたように呟いた。
「なんだこれ?映画の卒業?…じゃないしねえ。
隼人はタダの運転手だしねえ」
アネゴは肩を竦める。

「…まさか本当に出ていくとはねえ…。
すげえな、サーヤ。ある意味、最強のお嬢様だな」
…おっそろしいほどに浮世離れした女の子だった。
一目見たときからわかった。
真珠や薔薇や高価な絹や宝石のような砂糖菓子や…この世の美しいものだけで出来たような純粋無垢で繊細な女の子…。
隼人が一目惚れしたのもすぐ分かった。
ソッコー失恋したのも分かった。

「…また失恋か…。ご愁傷様。
なのにせっせとライバルに送り届けちゃって…。
あいつはアホだな。アホ」

…でも、そんなとこがちょっといいよね…。
小さく呟いてみる。
本人には絶対言わない。
今だけだ。

「…さあてと…。
一芝居、打ってくるかね」

アネゴはふわふわの金髪をきりりとお団子に結い直し、珊瑚の簪を留め直した。
そうしてのんびりと…けれど力強い足取りでずんずんと屋敷の中へと戻っていった。




/789ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ