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異邦人の庭 〜secret garden〜
第3章 コンテ・ド・シャンボールの想い人
「紗耶ちゃん。君の返事を聴かせてくれないか…。
僕の花嫁になってくれる?」
千晴が緊張で震える紗耶の小さな白い手を取ろうとしたその時…
「待ち給え、千晴…いや、千晴くん。
君はあまりに非常識すぎやしないか?」
それまで黙って事の成り行きを見守っていた政彦が立ち上がり、猛然と口を開いた。
「紗耶をいくつだと思っている?
まだ十八だ。
これから大学入試も控えている大切な時だ。
何よりまだ世間も何も知らない幼い少女だ。
いくら君が本家の当主でも、いきなりのプロポーズはないだろう。それはあまりにも行きすぎた行為ではないのか?」
「…政彦さん…」
千晴は初めて政彦の存在に気づいたかのように眼を見張った。
そうしてしなやかに立ち上がると、政彦の方に敬意を表して頭を下げた。
「確かにそうですね。
紗耶ちゃんはまだ未成年だ。
ご両親の監督下にあるでしょう。
けれど、法律的には何の問題もないはずです。
…紗耶ちゃんが私の愛を受け入れてくれるのならば…」
魅惑的な美しい眼差しを、再び紗耶に向けた。
「千晴!」
政彦は眉を顰めた。
そうして拳を握りしめると、意を決したかのように強い口調で訴えた。
「大お祖母様の時代ならいざ知らず、今は21世紀だ。
当主が親族の中で花嫁を見つける因習などあまりに時代錯誤すぎる!
私は断固として反対です。
…私は予々思っていました。
ご本家の決まりや因習は余りに前時代の遺物的存在だと。
こんな古臭い決まりごとで、私の大切な娘の人生を弄ばないでいただきたい!」
僕の花嫁になってくれる?」
千晴が緊張で震える紗耶の小さな白い手を取ろうとしたその時…
「待ち給え、千晴…いや、千晴くん。
君はあまりに非常識すぎやしないか?」
それまで黙って事の成り行きを見守っていた政彦が立ち上がり、猛然と口を開いた。
「紗耶をいくつだと思っている?
まだ十八だ。
これから大学入試も控えている大切な時だ。
何よりまだ世間も何も知らない幼い少女だ。
いくら君が本家の当主でも、いきなりのプロポーズはないだろう。それはあまりにも行きすぎた行為ではないのか?」
「…政彦さん…」
千晴は初めて政彦の存在に気づいたかのように眼を見張った。
そうしてしなやかに立ち上がると、政彦の方に敬意を表して頭を下げた。
「確かにそうですね。
紗耶ちゃんはまだ未成年だ。
ご両親の監督下にあるでしょう。
けれど、法律的には何の問題もないはずです。
…紗耶ちゃんが私の愛を受け入れてくれるのならば…」
魅惑的な美しい眼差しを、再び紗耶に向けた。
「千晴!」
政彦は眉を顰めた。
そうして拳を握りしめると、意を決したかのように強い口調で訴えた。
「大お祖母様の時代ならいざ知らず、今は21世紀だ。
当主が親族の中で花嫁を見つける因習などあまりに時代錯誤すぎる!
私は断固として反対です。
…私は予々思っていました。
ご本家の決まりや因習は余りに前時代の遺物的存在だと。
こんな古臭い決まりごとで、私の大切な娘の人生を弄ばないでいただきたい!」