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異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ

バレエをずっとやっているというだけあって、瑠璃子はすらりとした姿勢の良い美しいスタイルをしていた。
シニヨンにまとめた頭も小さく手足が長く、人形のように可愛らしい容姿も相まってまさにバレリーナにはうってつけのように思えた。
その上、民宿や魚屋を手伝い、通販サイトまで運営していると聞き、紗耶は驚くと同時に自分の心許なさに引け目のような感情が押し寄せてくるのを感じた。
…私は…これから何をしたらいいんだろう…。
藤木は大好きだ。愛している。
ずっと一緒にいたい。
けれど、それだけでいいのだろうか。
このままの紗耶で、いいのだろうか。
「どうしたの?紗耶…」
藤木が雰囲気を察して気遣うように尋ねる。
「…ううん。なんでもない…」
小さく笑い、首を振る。
そうして、自分から藤木の手を握りしめる。
「…紗耶…?」
瑠璃子や涼太の見ている前だけれど、構わなかった。
この、今触れている温かなものに、縋りつきたいような気持ちに抗えなかったのだ。
「…そろそろお開きにしましょうか」
瑠璃子がさりげなく優しい声で告げた。
…そうして…
「…今夜はお二人の大切な夜ですもの…。
二人きりでゆっくり過ごされなくてはね…」
やや艶めいた表情で、そっと二人に微笑みを送ったのだ。
シニヨンにまとめた頭も小さく手足が長く、人形のように可愛らしい容姿も相まってまさにバレリーナにはうってつけのように思えた。
その上、民宿や魚屋を手伝い、通販サイトまで運営していると聞き、紗耶は驚くと同時に自分の心許なさに引け目のような感情が押し寄せてくるのを感じた。
…私は…これから何をしたらいいんだろう…。
藤木は大好きだ。愛している。
ずっと一緒にいたい。
けれど、それだけでいいのだろうか。
このままの紗耶で、いいのだろうか。
「どうしたの?紗耶…」
藤木が雰囲気を察して気遣うように尋ねる。
「…ううん。なんでもない…」
小さく笑い、首を振る。
そうして、自分から藤木の手を握りしめる。
「…紗耶…?」
瑠璃子や涼太の見ている前だけれど、構わなかった。
この、今触れている温かなものに、縋りつきたいような気持ちに抗えなかったのだ。
「…そろそろお開きにしましょうか」
瑠璃子がさりげなく優しい声で告げた。
…そうして…
「…今夜はお二人の大切な夜ですもの…。
二人きりでゆっくり過ごされなくてはね…」
やや艶めいた表情で、そっと二人に微笑みを送ったのだ。

