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異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ

藤木が柔らかく微笑んだ。
「うん。
そんな感じはしていた」
「あ、ひどい…!」
紗耶は睨む真似をした。
藤木が可笑しそうに笑い、紗耶を愛おしげに抱きしめる。
「泣き虫で甘えん坊の紗耶は、すごくすごく可愛かっただろうな…。
見てみたかった…」
「…もう…。先生ったら…」
膨れっ面をしてみせると、しみじみと告げられる。
「…泣いている君を慰めたかったな。
…きっと、君を慰めたのは…高遠さんなんだろうね…」
「…え…?」
意外な言葉に見上げると、榛色の瞳が微かな妬心に彩られていた。
それは初めて見る藤木の生々しい表情で、紗耶はどきりとする。
「…こんなに可愛らしくて無垢な女の子…。
まるで夢の国の美しい砂糖菓子でできたような…清らかで繊細な女の子…。
大切にしたいと思わない男はいないさ。
…羨ましいな…」
「…先生…」
熱を帯びた榛色の瞳は、翠がかった琥珀色に変わるのだと、初めて知る。
「…羨ましいよ。
僕は高遠さんが…」
…初めて聴く強い口調だった。
「…せん…せ…」
…問いかける口唇は、そのまま熱情を込めて奪われた。
「うん。
そんな感じはしていた」
「あ、ひどい…!」
紗耶は睨む真似をした。
藤木が可笑しそうに笑い、紗耶を愛おしげに抱きしめる。
「泣き虫で甘えん坊の紗耶は、すごくすごく可愛かっただろうな…。
見てみたかった…」
「…もう…。先生ったら…」
膨れっ面をしてみせると、しみじみと告げられる。
「…泣いている君を慰めたかったな。
…きっと、君を慰めたのは…高遠さんなんだろうね…」
「…え…?」
意外な言葉に見上げると、榛色の瞳が微かな妬心に彩られていた。
それは初めて見る藤木の生々しい表情で、紗耶はどきりとする。
「…こんなに可愛らしくて無垢な女の子…。
まるで夢の国の美しい砂糖菓子でできたような…清らかで繊細な女の子…。
大切にしたいと思わない男はいないさ。
…羨ましいな…」
「…先生…」
熱を帯びた榛色の瞳は、翠がかった琥珀色に変わるのだと、初めて知る。
「…羨ましいよ。
僕は高遠さんが…」
…初めて聴く強い口調だった。
「…せん…せ…」
…問いかける口唇は、そのまま熱情を込めて奪われた。

