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異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ

熱い口づけを幾度も交わす。
紗耶のまだ未熟な果実のような幼気な口唇を愛おしげに食まれ…貪り尽くすように唇と舌で愛される。
…成熟した…どこか獣めいた淫靡な口づけ…。
「…あ…っ…ん…ん…」
思わず甘く掠れた吐息を漏らしてしまう。
そうして、ぼんやり思う。
キスの仕方は、それぞれ違うのだと…。
「…キスは…初めてじゃないよね?」
まるで、心を読まれているかのような言葉だった。
紗耶は潤んだ眼差しで男を見上げる。
「…ええ…」
美しい榛色の瞳に、微かな妬心の炎が揺らいだ。
それはまるで男の紗耶への強い執愛のような気がして、身体の奥底が甘く疼いた。
「…その先は…?」
…その先…
つまり…
「…高遠さんとはもうセックスしたの?」
あまりにあからさまな言葉に、紗耶は息を呑んだ。
「ごめんね。
君みたいな清潔な女の子に…こんな下品な言葉を使って…」
男の自嘲じみた言葉に、首を振る。
少しも嫌な気持ちにならなかったからだ。
「…いいえ…。
まだ…です…。
千晴お兄ちゃまは…結婚するまでは清らかな関係でいよう…て。
お父様と、お約束したから…て…」
千晴との結婚に難色を示していた政彦が言い出したのだ。
まだ未成年の紗耶には結婚まで純白でいて欲しいと…。
徳子が証人になり、その約束は成立した。
…だから、千晴とはキスまでしか交わしてはいない。
「…そう…。
さすが、高遠さんは立派な紳士だな…」
…ふっと、藤木の熱情に満ちた眼差しが穏やかな色に変わった。
そうして、そのまま紗耶を強く抱き締めた。
「…紗耶…。
僕は最低の男だけれど、紗耶を傷つけたりはしないよ。
約束する…」
男の声は静謐で、真摯であった。
「…先生…?」
そっと腕を解かれ、愛おしげに慈しみ深く微笑みかけられる。
「…君は本当に綺麗だ…。
穢れなく無垢で…眩しいほどの聖性に満ちている…。
こうして君に触れているだけで、それが損なわれそうで恐れすら懐く…」
…けれど、愛さずにはいられない…。
苦しげなため息混じりの言葉だった。
「…愛しているよ…紗耶…」
切ないほどの愛の言葉ののちに与えられたのは、胸が苦しくなるような、優しく甘い口づけであった…。
紗耶のまだ未熟な果実のような幼気な口唇を愛おしげに食まれ…貪り尽くすように唇と舌で愛される。
…成熟した…どこか獣めいた淫靡な口づけ…。
「…あ…っ…ん…ん…」
思わず甘く掠れた吐息を漏らしてしまう。
そうして、ぼんやり思う。
キスの仕方は、それぞれ違うのだと…。
「…キスは…初めてじゃないよね?」
まるで、心を読まれているかのような言葉だった。
紗耶は潤んだ眼差しで男を見上げる。
「…ええ…」
美しい榛色の瞳に、微かな妬心の炎が揺らいだ。
それはまるで男の紗耶への強い執愛のような気がして、身体の奥底が甘く疼いた。
「…その先は…?」
…その先…
つまり…
「…高遠さんとはもうセックスしたの?」
あまりにあからさまな言葉に、紗耶は息を呑んだ。
「ごめんね。
君みたいな清潔な女の子に…こんな下品な言葉を使って…」
男の自嘲じみた言葉に、首を振る。
少しも嫌な気持ちにならなかったからだ。
「…いいえ…。
まだ…です…。
千晴お兄ちゃまは…結婚するまでは清らかな関係でいよう…て。
お父様と、お約束したから…て…」
千晴との結婚に難色を示していた政彦が言い出したのだ。
まだ未成年の紗耶には結婚まで純白でいて欲しいと…。
徳子が証人になり、その約束は成立した。
…だから、千晴とはキスまでしか交わしてはいない。
「…そう…。
さすが、高遠さんは立派な紳士だな…」
…ふっと、藤木の熱情に満ちた眼差しが穏やかな色に変わった。
そうして、そのまま紗耶を強く抱き締めた。
「…紗耶…。
僕は最低の男だけれど、紗耶を傷つけたりはしないよ。
約束する…」
男の声は静謐で、真摯であった。
「…先生…?」
そっと腕を解かれ、愛おしげに慈しみ深く微笑みかけられる。
「…君は本当に綺麗だ…。
穢れなく無垢で…眩しいほどの聖性に満ちている…。
こうして君に触れているだけで、それが損なわれそうで恐れすら懐く…」
…けれど、愛さずにはいられない…。
苦しげなため息混じりの言葉だった。
「…愛しているよ…紗耶…」
切ないほどの愛の言葉ののちに与えられたのは、胸が苦しくなるような、優しく甘い口づけであった…。

