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異邦人の庭 〜secret garden〜
第3章 コンテ・ド・シャンボールの想い人
政彦は咳払いしながら、やや潜めた声で尋ねた。
「…けれど、その…。
それまでの間、紗耶と君との…その…フィジカルな関係は…どう考えているのだ?」
傍らの紫織が小さく息を呑み、政彦を小声で制した。
「政彦さん…、そんなことをこの場で…」
政彦は毅然として言い返した。
「大切なことだ。
大事な娘の貞操なのだから…」
…フィジカル…?貞操…?
お父様…何を仰っているのかしら…。
奥手すぎてピンとこない紗耶を千晴は愛おしげに眼を細め、微笑んだ。
「ご心配なさらないでください。
…紗耶ちゃんが結婚を許諾してくれる日まで、私は紗耶ちゃんには決して触れません」
漸く何の話をしているか察知した紗耶は、その透き通るように白い首筋を朱に染めた。
「…本当かね?君を信用していいんだね?」
念を押す政彦に、千晴は頷き優雅な仕草で上座の徳子に手を差し伸べる。
「…それでは、お祖母様にお誓いいたしましょう。
私はお祖母様を欺いたことは一度もありません。
お祖母様のお名前に誓って、紗耶ちゃんの純潔を穢すことはいたしません」
緊張と驚きに満ちたこの場の空気を破るかのように、徳子が高らかに笑い出した。
「まあまあ、大変な役目を授かってしまったわ。
長生きはしてみるものだわね」
…紗耶をゆるりと見ると、徳子は八十を超えた老女とは思えない艶を含んだ眼差しでウィンクした。
そうして、手にした白檀の扇で紗耶を指し示した。
「…良いでしょう。
この可憐なコーネリアのような娘の純潔を、しかと見守ることといたしましょう」
「…けれど、その…。
それまでの間、紗耶と君との…その…フィジカルな関係は…どう考えているのだ?」
傍らの紫織が小さく息を呑み、政彦を小声で制した。
「政彦さん…、そんなことをこの場で…」
政彦は毅然として言い返した。
「大切なことだ。
大事な娘の貞操なのだから…」
…フィジカル…?貞操…?
お父様…何を仰っているのかしら…。
奥手すぎてピンとこない紗耶を千晴は愛おしげに眼を細め、微笑んだ。
「ご心配なさらないでください。
…紗耶ちゃんが結婚を許諾してくれる日まで、私は紗耶ちゃんには決して触れません」
漸く何の話をしているか察知した紗耶は、その透き通るように白い首筋を朱に染めた。
「…本当かね?君を信用していいんだね?」
念を押す政彦に、千晴は頷き優雅な仕草で上座の徳子に手を差し伸べる。
「…それでは、お祖母様にお誓いいたしましょう。
私はお祖母様を欺いたことは一度もありません。
お祖母様のお名前に誓って、紗耶ちゃんの純潔を穢すことはいたしません」
緊張と驚きに満ちたこの場の空気を破るかのように、徳子が高らかに笑い出した。
「まあまあ、大変な役目を授かってしまったわ。
長生きはしてみるものだわね」
…紗耶をゆるりと見ると、徳子は八十を超えた老女とは思えない艶を含んだ眼差しでウィンクした。
そうして、手にした白檀の扇で紗耶を指し示した。
「…良いでしょう。
この可憐なコーネリアのような娘の純潔を、しかと見守ることといたしましょう」