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異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ

「政彦さん。
私は別に紫織さんの過去を責めているわけではありませんよ。
こんなにもお美しい紫織さんに、過去の一つや二つないわけがないでしょう。
しかも、紫織さんは当時高校生で…どうやら被害者のようですしね。
…問題はそのあまりに非常識な男性を紗耶も好きになったことです。
そうして、千晴さんを裏切り、駆け落ちまがいなことをしでかしたことなのです。
…なんと不埒な…恥知らずな行為でしょう。
そんな娘の監督不行き届きの件はどう思っていらっしゃるのかしら?」
徳子はさらりと…しかし、有無を言わさぬ口調で尋ねた。
紫織が堪らずに立ち上がった。
「紫織!」
慌てて引き留める政彦を振り払い、紫織は跪く紗耶に駆け寄った。
そうして、震える白い手で紗耶を庇うように抱きしめた。
白く美しい面に涙を滴らせ、紫織は徳子を見据え懇願した。
「大お祖母様!
紗耶は…政彦さんは何も悪くはありません!
すべては私が愚かな恋をしてしまったことが元凶なのです!
責を負うべき者は私です!
どうか、紗耶にはお慈悲を与えてくださいませ!
私はどうなっても良いのです!
どのようなお沙汰も甘んじて受けます!
けれど、紗耶は…紗耶だけは…お赦しくださいませ…!」
私は別に紫織さんの過去を責めているわけではありませんよ。
こんなにもお美しい紫織さんに、過去の一つや二つないわけがないでしょう。
しかも、紫織さんは当時高校生で…どうやら被害者のようですしね。
…問題はそのあまりに非常識な男性を紗耶も好きになったことです。
そうして、千晴さんを裏切り、駆け落ちまがいなことをしでかしたことなのです。
…なんと不埒な…恥知らずな行為でしょう。
そんな娘の監督不行き届きの件はどう思っていらっしゃるのかしら?」
徳子はさらりと…しかし、有無を言わさぬ口調で尋ねた。
紫織が堪らずに立ち上がった。
「紫織!」
慌てて引き留める政彦を振り払い、紫織は跪く紗耶に駆け寄った。
そうして、震える白い手で紗耶を庇うように抱きしめた。
白く美しい面に涙を滴らせ、紫織は徳子を見据え懇願した。
「大お祖母様!
紗耶は…政彦さんは何も悪くはありません!
すべては私が愚かな恋をしてしまったことが元凶なのです!
責を負うべき者は私です!
どうか、紗耶にはお慈悲を与えてくださいませ!
私はどうなっても良いのです!
どのようなお沙汰も甘んじて受けます!
けれど、紗耶は…紗耶だけは…お赦しくださいませ…!」

