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異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ

「アルバイトは何をしているの?
大変じゃないの?
お勉強と両立はできるの?」
紫織は矢継ぎ早に質問をした。
きっと心配で仕方ないのだろう。
建前上とはいえ、娘を勘当をしてしまったことも、紫織の心を深く傷つけているに違いない。
今まで大切に育てくれた優しい母に…自分は心配を掛けてばかりだ…と、切なくなる。
ましてや母は今、身重の大切な身体なのに…。
「アネゴ先輩に紹介してもらって、塾の講師をしているの。
あのね。最近、塾の子が、段々なついてくれてすごく可愛いの。
お勉強を教えているというより、私がお勉強させてもらっているみたいなの」
「大丈夫ですよ。お母様。
サーヤは塾でもすごく評判がいいんです。
優しいし面倒見がいいし。
…何より子どもの気持ちがよく分かるいい先生なんです。
あと、結構しぶといんですよ。
ダメなことする生徒には絶対に譲らないし、粘り強く言って聞かせるし…。
とにかく、お母様は何も心配しないでください。
サーヤはお母様が思っていらっしゃる以上にしっかりしてますから」
アネゴが妊婦の紫織にさりげなくオレンジジュースを出しながら、明るく言い添えてくれた。
紫織はほっとしたように微かに微笑んだ。
「…そうなんですか…。
本当にありがとうございます。
何から何までお世話になって…」
感激したように頭を下げ、しみじみとした眼差しで紗耶を見つめた。
「…紗耶ちゃん。
あなた、大人になってきたのね…」
紗耶は頷いた。
そうして、思い切って紫織に宣言するように口を開いた。
「…ええ。
だって私、大学を卒業したら、先生を探し当てなきゃいけないんですもの。
まずは出来るだけお金を貯めなくちゃ。
それから色々と情報を集めなきゃ…」
大変じゃないの?
お勉強と両立はできるの?」
紫織は矢継ぎ早に質問をした。
きっと心配で仕方ないのだろう。
建前上とはいえ、娘を勘当をしてしまったことも、紫織の心を深く傷つけているに違いない。
今まで大切に育てくれた優しい母に…自分は心配を掛けてばかりだ…と、切なくなる。
ましてや母は今、身重の大切な身体なのに…。
「アネゴ先輩に紹介してもらって、塾の講師をしているの。
あのね。最近、塾の子が、段々なついてくれてすごく可愛いの。
お勉強を教えているというより、私がお勉強させてもらっているみたいなの」
「大丈夫ですよ。お母様。
サーヤは塾でもすごく評判がいいんです。
優しいし面倒見がいいし。
…何より子どもの気持ちがよく分かるいい先生なんです。
あと、結構しぶといんですよ。
ダメなことする生徒には絶対に譲らないし、粘り強く言って聞かせるし…。
とにかく、お母様は何も心配しないでください。
サーヤはお母様が思っていらっしゃる以上にしっかりしてますから」
アネゴが妊婦の紫織にさりげなくオレンジジュースを出しながら、明るく言い添えてくれた。
紫織はほっとしたように微かに微笑んだ。
「…そうなんですか…。
本当にありがとうございます。
何から何までお世話になって…」
感激したように頭を下げ、しみじみとした眼差しで紗耶を見つめた。
「…紗耶ちゃん。
あなた、大人になってきたのね…」
紗耶は頷いた。
そうして、思い切って紫織に宣言するように口を開いた。
「…ええ。
だって私、大学を卒業したら、先生を探し当てなきゃいけないんですもの。
まずは出来るだけお金を貯めなくちゃ。
それから色々と情報を集めなきゃ…」

