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異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ
紗耶から理人を抱き取った千晴は、じっとその貌を見つめる。
理人は驚きもせずに、小さな口を開けるとのどかにふわりと欠伸をした。
千晴が思わず笑みを漏らす。
「…可愛い…。
本当に可愛い…」
吐息まじりに呟く。
鳶色の瞳が、愛おしさの色に満ち溢れる。
…こんなに素直な…無邪気な千晴を、紗耶は初めて見る。
千晴はその長く美しい指で、理人の髪を優しく撫でる。
…端麗な…けれど引き締まった表情で、祈るように告げた。
「…二宮理人の人生が幸福と輝きと…そして何より温かな愛に満ちたものでありますように…」
…そうして恭しく、誰よりも貴いものに贈るかのように慈愛に満ちたキスを、理人の清らかな額にそっと与えたのだった。
理人は驚きもせずに、小さな口を開けるとのどかにふわりと欠伸をした。
千晴が思わず笑みを漏らす。
「…可愛い…。
本当に可愛い…」
吐息まじりに呟く。
鳶色の瞳が、愛おしさの色に満ち溢れる。
…こんなに素直な…無邪気な千晴を、紗耶は初めて見る。
千晴はその長く美しい指で、理人の髪を優しく撫でる。
…端麗な…けれど引き締まった表情で、祈るように告げた。
「…二宮理人の人生が幸福と輝きと…そして何より温かな愛に満ちたものでありますように…」
…そうして恭しく、誰よりも貴いものに贈るかのように慈愛に満ちたキスを、理人の清らかな額にそっと与えたのだった。