この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ
「…て、言ってもなあ…。
これでも毎日必死で探してるんだけどなあ…。
本当に…先生、どこにいるのかしら…」
紗耶は居間のパソコンの前でため息を吐いた。
…毎日毎日、手がかりになりそうなニュースやワードはないかとネットサーフィンするのが、紗耶の日常となっていた。
香料の研究室、香料を扱う会社、メーカー、小売店までも手を広げた。
日本はもちろん、アジア、アメリカ、ヨーロッパにも…。
…なんとなく、藤木は日本にはいないような気がしたからだ。
少しでも、藤木を彷彿させる人物が記載された記事やブログがあれば、英文でメールを送った。
…けれど、探せども探せども藤木に繋がる情報は皆無だった。
紗耶は幾度目かのため息を吐く。
「サ〜ヤ〜。
そ〜んなに苦労してんなら、お兄ちゃまからの情報、しれっとまるっといただいちゃえば良かったのにい〜」
アネゴがひょいと貌を覗かせた。
「アネゴ先輩!
お帰りなさい」
慌ててパソコンを閉じようとする紗耶を優しく押し留め、隣の椅子にどさりと座る。
「お兄ちゃま、藤木先生の居所突き止めたんでしょ?
もったいないなあ。情報、断っちゃってさあ」
紗耶は苦笑いしながら、アネゴにお茶を淹れるためにキッチンに立った。
「…いいんです。
だって、お兄ちゃまの力で先生に逢えても、それでは意味がないんです。
私が自力で先生を捕まえなきゃ、駄目なんです。
そうでないと、先生の前に堂々と立てない気がして…」
差し出された薫り高いダージリンを受け取りながら、アネゴは首を振った。
「ふうん…。そんなもんかねえ。
…ま、サーヤがそう言うならいいけどさあ」
…でも…
と、アネゴは真顔で紗耶を見つめた。
「…サーヤのそ〜ゆ〜頑固なとこ、嫌いじゃないよ」
そうして、美味しそうにお茶を飲むと、今度はにやりと笑ってみせた。
「…早く捕まえられるといいね。
あんたのトウの立った王子様」
これでも毎日必死で探してるんだけどなあ…。
本当に…先生、どこにいるのかしら…」
紗耶は居間のパソコンの前でため息を吐いた。
…毎日毎日、手がかりになりそうなニュースやワードはないかとネットサーフィンするのが、紗耶の日常となっていた。
香料の研究室、香料を扱う会社、メーカー、小売店までも手を広げた。
日本はもちろん、アジア、アメリカ、ヨーロッパにも…。
…なんとなく、藤木は日本にはいないような気がしたからだ。
少しでも、藤木を彷彿させる人物が記載された記事やブログがあれば、英文でメールを送った。
…けれど、探せども探せども藤木に繋がる情報は皆無だった。
紗耶は幾度目かのため息を吐く。
「サ〜ヤ〜。
そ〜んなに苦労してんなら、お兄ちゃまからの情報、しれっとまるっといただいちゃえば良かったのにい〜」
アネゴがひょいと貌を覗かせた。
「アネゴ先輩!
お帰りなさい」
慌ててパソコンを閉じようとする紗耶を優しく押し留め、隣の椅子にどさりと座る。
「お兄ちゃま、藤木先生の居所突き止めたんでしょ?
もったいないなあ。情報、断っちゃってさあ」
紗耶は苦笑いしながら、アネゴにお茶を淹れるためにキッチンに立った。
「…いいんです。
だって、お兄ちゃまの力で先生に逢えても、それでは意味がないんです。
私が自力で先生を捕まえなきゃ、駄目なんです。
そうでないと、先生の前に堂々と立てない気がして…」
差し出された薫り高いダージリンを受け取りながら、アネゴは首を振った。
「ふうん…。そんなもんかねえ。
…ま、サーヤがそう言うならいいけどさあ」
…でも…
と、アネゴは真顔で紗耶を見つめた。
「…サーヤのそ〜ゆ〜頑固なとこ、嫌いじゃないよ」
そうして、美味しそうにお茶を飲むと、今度はにやりと笑ってみせた。
「…早く捕まえられるといいね。
あんたのトウの立った王子様」