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異邦人の庭 〜secret garden〜
第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ
「に、入籍って…あのあの…アネゴ先輩と隼人先輩が、結婚…!?」
「そ」
「あ、あの…お二人はお付き合いされていたんですか⁈」
隼人とアネゴは相変わらずよくつるんではいるが、恋人同士の男女間の甘い雰囲気は全くなかった。
漫才コンビのようにいつも軽口を叩きあっていた二人だった。
いつ、そんな関係になったのだろう…。
「…実はさ、今年のお正月にさ」
アネゴが少し照れ臭そうに肩をすくめて語り出した。
「隼人んとこで呑んでたんだよね。
…そしたらさ、アイツってばすっかり酔っ払っちゃってさ。
サーヤちゃんサーヤちゃんて恋しがりながら泣き上戸になっちゃってさ。
…まあ、今更なんだけど、切ない失恋を嘆きだしたワケ」
「…はあ…」
…隼人が自分に好意を持っていてくれたことは、紗耶も薄々勘付いていた。
けれど、どうすることもできなかった。
隼人は大人だ。
告白して紗耶を困惑させることもなかった。
だから、紗耶は気づかないふりをしていたのだ。
今の心地よい関係を壊したくなかったからだ。
「でさ、あたしも相当酔っ払っていたからさ。
『男がウジウジと女々しく泣くな!
それならあたしが身体で慰めてやる!』
…て、まあ…そんな感じの成り行きで、隼人とヤッちゃったワケ」
「ま、まあ…!」
その開けっ広げな告白に、紗耶は思わず赤くなった。
アネゴがふっと、しみじみとした眼差しで紗耶を見つめ返した。
「…サーヤちゃんは気づいてるか分かんないけどさ。
あたし、結構隼人が好きだったんだよね。
まあずっと片想いだったわけだけどさ。
…だから、その夜のことも、あたしは嬉しかったわけ。
酔った勢いとはいえ、好きな相手とセックスできるのは幸せだもん。
一生の大切な想い出にしよう…て、ガラにもなく純情に思ったわけよ」
…アネゴの白い頰が綺麗な桜色に染まっていた。
「…アネゴ先輩…」
アネゴがくすくす笑い出した。
「…そしたらさ。隼人が翌朝、すんごい真面目な貌でさ、パンイチでさ、正座して頭下げたの。
『こうなったからには俺に責任取らせてくれ。
アネゴ、俺と結婚してくれ』
…てさ」
「そ」
「あ、あの…お二人はお付き合いされていたんですか⁈」
隼人とアネゴは相変わらずよくつるんではいるが、恋人同士の男女間の甘い雰囲気は全くなかった。
漫才コンビのようにいつも軽口を叩きあっていた二人だった。
いつ、そんな関係になったのだろう…。
「…実はさ、今年のお正月にさ」
アネゴが少し照れ臭そうに肩をすくめて語り出した。
「隼人んとこで呑んでたんだよね。
…そしたらさ、アイツってばすっかり酔っ払っちゃってさ。
サーヤちゃんサーヤちゃんて恋しがりながら泣き上戸になっちゃってさ。
…まあ、今更なんだけど、切ない失恋を嘆きだしたワケ」
「…はあ…」
…隼人が自分に好意を持っていてくれたことは、紗耶も薄々勘付いていた。
けれど、どうすることもできなかった。
隼人は大人だ。
告白して紗耶を困惑させることもなかった。
だから、紗耶は気づかないふりをしていたのだ。
今の心地よい関係を壊したくなかったからだ。
「でさ、あたしも相当酔っ払っていたからさ。
『男がウジウジと女々しく泣くな!
それならあたしが身体で慰めてやる!』
…て、まあ…そんな感じの成り行きで、隼人とヤッちゃったワケ」
「ま、まあ…!」
その開けっ広げな告白に、紗耶は思わず赤くなった。
アネゴがふっと、しみじみとした眼差しで紗耶を見つめ返した。
「…サーヤちゃんは気づいてるか分かんないけどさ。
あたし、結構隼人が好きだったんだよね。
まあずっと片想いだったわけだけどさ。
…だから、その夜のことも、あたしは嬉しかったわけ。
酔った勢いとはいえ、好きな相手とセックスできるのは幸せだもん。
一生の大切な想い出にしよう…て、ガラにもなく純情に思ったわけよ」
…アネゴの白い頰が綺麗な桜色に染まっていた。
「…アネゴ先輩…」
アネゴがくすくす笑い出した。
「…そしたらさ。隼人が翌朝、すんごい真面目な貌でさ、パンイチでさ、正座して頭下げたの。
『こうなったからには俺に責任取らせてくれ。
アネゴ、俺と結婚してくれ』
…てさ」