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第15章 カーネーション・リリー・リリー・ローズ

「セックスしたから責任取って結婚なんてさ。
一体、いつの時代の話だよ！て思うじゃん。
江戸か？明治か？てね。だからさ、
『バカだね、あんた！
んなの気にしなくていいんだよ。あんなんスポーツみたいなもんじゃん』
て、言ったらさ…」
アネゴの瞳が微かに潤んだ。

「『お前、俺のこと、ずっと好きでいてくれたんだな…。
気づかなくてごめんな』てさ…」

…それで…。

アネゴの綺麗なアーモンド形の瞳が、幸せそうに細められた。

「『寝たからじゃないけど、俺は今お前がモーレツに可愛い。
大切にしたいと思う。
大切にしたいっていうのは、お前と一生一緒にいたいってことだ。
お前と結婚したいってことだ。
だから、俺の嫁さんになってくれ』
…て、また猛然と頭下げたんだよね…」

…全く…何時代のオトコだよね…。
照れ臭そうに笑いながら、アネゴの眼には光るものがあった。
そしてそれは、とても清らかで美しかったのだ。

「…アネゴ先輩…」
紗耶は自分のことのように嬉しくなり、胸がいっぱいになった。

「…おめでとうございます…！
良かった…良かったです…！」
心から祝福をして、頭を下げたのだった。