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異邦人の庭 〜secret garden〜
第16章 異邦人の庭 〜secret rose garden〜
千晴が理人の柔らかな薄茶色の髪を掻き上げ、その愛らしい額にそっとキスを落とす。
「…理人は益々紫織さんに似てきましたね。
本当に綺麗な子どもだ…」
うっとりしたように微笑む千晴に、政彦がじろりと一瞥をくれる。
「…母は僕に似ていると言うけれどね。
…大体、高遠一族の…と事あるごとに言うのはやめてくれないか。
理人はまず、二宮家の子どもだ」
「二宮家の子どもということは高遠一族の子どもということですよ。
政彦兄さん。
…さあ、理人。カエルさんはどうする?
このまま理人が飼うのかな?」
「かいたい!」
理人が大きな瞳をきらきらと輝かせる。
「そう…。
でもね、カエルさんは飼育箱では長生きできないんだよ。
中庭のお池なら、うんと長生きできて、おたまじゃくしも生まれるんだけどな」
穏やかに諭すと、理人はやや残念そうにしながらも
「…ながいきできないの?かわいそう…。
でも、りひと、カエルさんとばいばいするのやだ」
千晴は理人を膝に乗せると、頰擦りをしながら優しく告げた。
「それなら今日はここに泊まるといい。
お庭にテントを張って…。僕も一緒に寝よう。
どう?理人?」
理人は歓声を上げ、飛び跳ねた。
「おとまりする!したい!
ちはるおにいちゃまだいすき!」
千晴はその小さな身体を愛おしげに抱きしめた。
「お兄ちゃまも理人が大好きだよ。
ずっとここに僕と住んでほしいくらいにね」
透き通るように白く丸い頰にキスをする。
理人はくすぐったそうに身を捩り、きゃっきゃとはしゃいだ声を上げた。
「いいよ!りひと、お兄ちゃまとすむ!
そしたらまいにちカエルさんとあそべるもん!」
政彦がやや呆れたように口を挟んだ。
「おい、千晴。
そうやって理人を釣るのはやめてくれ」
…それに…と、居住まいを正し、親身な口調で切り出した。
「…お前も早く花嫁候補を見つけなくては…」
「…理人は益々紫織さんに似てきましたね。
本当に綺麗な子どもだ…」
うっとりしたように微笑む千晴に、政彦がじろりと一瞥をくれる。
「…母は僕に似ていると言うけれどね。
…大体、高遠一族の…と事あるごとに言うのはやめてくれないか。
理人はまず、二宮家の子どもだ」
「二宮家の子どもということは高遠一族の子どもということですよ。
政彦兄さん。
…さあ、理人。カエルさんはどうする?
このまま理人が飼うのかな?」
「かいたい!」
理人が大きな瞳をきらきらと輝かせる。
「そう…。
でもね、カエルさんは飼育箱では長生きできないんだよ。
中庭のお池なら、うんと長生きできて、おたまじゃくしも生まれるんだけどな」
穏やかに諭すと、理人はやや残念そうにしながらも
「…ながいきできないの?かわいそう…。
でも、りひと、カエルさんとばいばいするのやだ」
千晴は理人を膝に乗せると、頰擦りをしながら優しく告げた。
「それなら今日はここに泊まるといい。
お庭にテントを張って…。僕も一緒に寝よう。
どう?理人?」
理人は歓声を上げ、飛び跳ねた。
「おとまりする!したい!
ちはるおにいちゃまだいすき!」
千晴はその小さな身体を愛おしげに抱きしめた。
「お兄ちゃまも理人が大好きだよ。
ずっとここに僕と住んでほしいくらいにね」
透き通るように白く丸い頰にキスをする。
理人はくすぐったそうに身を捩り、きゃっきゃとはしゃいだ声を上げた。
「いいよ!りひと、お兄ちゃまとすむ!
そしたらまいにちカエルさんとあそべるもん!」
政彦がやや呆れたように口を挟んだ。
「おい、千晴。
そうやって理人を釣るのはやめてくれ」
…それに…と、居住まいを正し、親身な口調で切り出した。
「…お前も早く花嫁候補を見つけなくては…」