この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
異邦人の庭 〜secret garden〜
第17章 secret garden 〜永遠の庭〜
「…風間様…?」
月城が訝しげに眉を寄せた。
風間は手を上げ、まるで宣誓するような仕草をしてみせた。
「誤解しないでくれ。
俺は百合子を愛しているよ。
浮気したことももちろんない。
百合子以外の女性に気持ちが動いたことなど、一度もない。
多分、百合子もそうだろう。
俺のことを変わらずに真摯に愛してくれている。
それを疑いはしない」
…けれど…
出窓から、遠くを眺める。
南仏の広やかな庭園には、ミモザとブーゲンビリアの色鮮やかな美しい花が長閑に咲き揃う。
…日本では決して見ることのなかった光景だ。
「…相手のことを、完璧に理解することは難しい…」
ため息混じりに呟いた。
…そうして…
「…俺は…たまに百合子のことが分からなくなる…」
途方に暮れたような、微かに寂しさを帯びた…けれど、真実の吐露のような言葉が、その形の良い唇から溢れ落ちた。
月城が訝しげに眉を寄せた。
風間は手を上げ、まるで宣誓するような仕草をしてみせた。
「誤解しないでくれ。
俺は百合子を愛しているよ。
浮気したことももちろんない。
百合子以外の女性に気持ちが動いたことなど、一度もない。
多分、百合子もそうだろう。
俺のことを変わらずに真摯に愛してくれている。
それを疑いはしない」
…けれど…
出窓から、遠くを眺める。
南仏の広やかな庭園には、ミモザとブーゲンビリアの色鮮やかな美しい花が長閑に咲き揃う。
…日本では決して見ることのなかった光景だ。
「…相手のことを、完璧に理解することは難しい…」
ため息混じりに呟いた。
…そうして…
「…俺は…たまに百合子のことが分からなくなる…」
途方に暮れたような、微かに寂しさを帯びた…けれど、真実の吐露のような言葉が、その形の良い唇から溢れ落ちた。