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異邦人の庭 〜secret garden〜
第17章 secret garden 〜永遠の庭〜
「ムッシュ・カザマ。
僕にはシンプソンさんのように輝かしい地位も名誉も学歴も高い年収もありません。
まだしがない学生で、何ひとつこの手には持ち得ていません。
けれど、ルリコさんを愛する気持ちは誰にも負けません。
幼い頃から、ルリコさんは僕の全てだからです!
僕はルリコさんを生涯、全力でお守りいたします。
ルリコさんの幸せのためならなんでもします!
貧乏で苦しい思いは、死んでもさせません。
絶対にお約束します。
…ただ僕はまだ、ルリコさんがこれまで育ったように、様々な贅沢なものを与えて差し上げることはできません。
華やかな社交界のパーティにたびたび出席することも…。
その点は…我慢してもらうことがたくさんあるかもしれません。
…本当に…申し訳…ないです…」
悲しげに肩を落とすミシェルに堪らず、瑠璃子は駆け寄った。
ミルク色のドレスの裾がふわりと風に舞う。
瑠璃子はミシェルの手を取り、搔き口説いた。
「何を言うの?ミシェル!
私は貴方と一緒にいられたら幸せなの!
お金なんて関係ないわ!
社交界のパーティなんて、行けなくてもちっとも構わない!
私はミシェルがいてくれたら、それだけで幸せなの。
ほかには何もいらないの!」
「ルリコ…!」
風間は驚きに声も出なかった。
普段、淑やかで大人しい娘が、まるで別人のように情熱的な表情を露わにしていたからだ。
瑠璃子は風間の足元に跪き、凛とした眼差しで父親を見上げた。
その黒く美しい瞳には、強い意志の光が宿っていた。
「お父様。
お願いです。私とミシェルの結婚をお許しください。
…もし、許してくださらないなら…私は家を出ます…!」
「…瑠璃子…!」
風間は息を呑んだ。
僕にはシンプソンさんのように輝かしい地位も名誉も学歴も高い年収もありません。
まだしがない学生で、何ひとつこの手には持ち得ていません。
けれど、ルリコさんを愛する気持ちは誰にも負けません。
幼い頃から、ルリコさんは僕の全てだからです!
僕はルリコさんを生涯、全力でお守りいたします。
ルリコさんの幸せのためならなんでもします!
貧乏で苦しい思いは、死んでもさせません。
絶対にお約束します。
…ただ僕はまだ、ルリコさんがこれまで育ったように、様々な贅沢なものを与えて差し上げることはできません。
華やかな社交界のパーティにたびたび出席することも…。
その点は…我慢してもらうことがたくさんあるかもしれません。
…本当に…申し訳…ないです…」
悲しげに肩を落とすミシェルに堪らず、瑠璃子は駆け寄った。
ミルク色のドレスの裾がふわりと風に舞う。
瑠璃子はミシェルの手を取り、搔き口説いた。
「何を言うの?ミシェル!
私は貴方と一緒にいられたら幸せなの!
お金なんて関係ないわ!
社交界のパーティなんて、行けなくてもちっとも構わない!
私はミシェルがいてくれたら、それだけで幸せなの。
ほかには何もいらないの!」
「ルリコ…!」
風間は驚きに声も出なかった。
普段、淑やかで大人しい娘が、まるで別人のように情熱的な表情を露わにしていたからだ。
瑠璃子は風間の足元に跪き、凛とした眼差しで父親を見上げた。
その黒く美しい瞳には、強い意志の光が宿っていた。
「お父様。
お願いです。私とミシェルの結婚をお許しください。
…もし、許してくださらないなら…私は家を出ます…!」
「…瑠璃子…!」
風間は息を呑んだ。