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異邦人の庭 〜secret garden〜
第17章 secret garden 〜永遠の庭〜
「安心しなさい。
君にはホテルの専属フラワーアーティストのジャン・ロマンが付き、指導をしてくれる」

その言葉を聞いた途端、ミシェルは息を呑み、思わずといった風な大きな声を上げた。
手にしたジノリのカップからアッサムティーが大きく波打った。

「ジャ、ジャン・ロマン⁈
あ、あ、あの…!ティファニーやシャネルやエルメスのメゾンやコレクションの花装飾を手掛けるあのジャン・ロマンですか!?」

ミシェルの言葉に瑠璃子が美しい瞳を見張る。
「そんなに有名な方なの?」
「ゆ、有名もなにも…!
僕みたいな一介の学生には雲の上の…そのまた上の凄いひとだよ…!」

風間がミシェルの反応に気を良くしたように笑う。
「ジャンは私のライダー仲間だ。
フォンテーヌブローの馬場で知り合ってね。それ以来の仲だ。
本店の花装飾をしてくれるようになってもう5年になる」

「…は、はあ…」
ミシェルはいちどきに余りに驚くべき情報が風間より与えられ、茫然自失となってしまった。

風間は涼しい貌で食後の葉巻を愉しむ。
「なあ、ミシェル。
私はね、君が私の最愛の娘を託すのに充分足りる男か否かを知りたいのだよ。
…蛇の道は蛇…花の道は花のプロに判断してもらうのが一番だ」

…つまり…

美味そうに葉巻を燻らせ、人好きのする瞳を細めた。
「ジャンが君にフラワーアーティストとしての才能を見込みなしとジャッジを下したら…この結婚話は保留だ」

「え〜ッ⁈」
ミシェルが素っ頓狂な声を上げた。

「お父様!
ひどいわ、そんな!」

抗議する瑠璃子に手を挙げて制して見せる。
「それなら死にものぐるいでジャンを認めさせるような装飾をみせたまえ。
…そのくらいの気骨がある男でないと、大切な瑠璃子はやれないな」

鷹揚に陽気に…けれど一つも譲らない執念を見せて、風間はにやりと笑ったのだった。


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