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異邦人の庭 〜secret garden〜
第17章 secret garden 〜永遠の庭〜
「…友達?
つまらん。
そんな色気のないものに、なりたくはなかったね」
忌々しげに吐き捨てる風間に、優しく語りかける。
「恋は一瞬です。
友情は、一生ですよ」
「…暁…。
俺はな…」
熱い眼差しで語りかけるのに、穏やかに言葉を重ねる。
「ねえ、忍さん。
僕は貴方の優しさが好きです。
特に分かりにくい優しさが…ね」
「何を言ってる…」
眉を顰める風間の髪をそっと撫でる。
そうして、暁は静かに語り始めた。
「…貴方は、ミシェルにこの上ないチャンスを授けてくださいました。
一流のフラワーアーティストの元で直接指導を受けられるなんて僥倖は滅多にあるものではありません。
その上、ミシェルは学生の身でありながらオテル・ド・カザマという一流ホテルの花装飾を任せられた実績と栄誉が与えられたのです。
これらは彼が将来フラワーアーティストとなった時、どれだけの財産となることでしょう。
貴方は自分が憎まれ役を買って、それをさらりとやってのけられた。
…だから私は貴方が大好きなのです」
風間はふっと表情を和らげて、肩を竦め苦笑した。
「…やれやれ…。
すべて、お見通しか…」
「ええ。もちろん」
風間は、ふんと唇を歪めた。
「勘違いするなよ。
あくまで瑠璃子のためだ。
瑠璃子の夫がショボい男だと思われたくな…」
風間の琥珀色の瞳が驚きに見開かれる。
…暁の桜色の口唇が、優しく…けれど大胆に風間の唇を奪い、押し包んでいたのだ。
それはかつて彼らが交わした甘美で濃密で艶めいた恋人同士の口づけにほかならなかった。
「…暁…」
長く甘く…そして切ない薫りがする口づけの合間に、暁は蠱惑的な美しい瞳を煌めかせ、微笑った。
「…ご褒美です…」
つまらん。
そんな色気のないものに、なりたくはなかったね」
忌々しげに吐き捨てる風間に、優しく語りかける。
「恋は一瞬です。
友情は、一生ですよ」
「…暁…。
俺はな…」
熱い眼差しで語りかけるのに、穏やかに言葉を重ねる。
「ねえ、忍さん。
僕は貴方の優しさが好きです。
特に分かりにくい優しさが…ね」
「何を言ってる…」
眉を顰める風間の髪をそっと撫でる。
そうして、暁は静かに語り始めた。
「…貴方は、ミシェルにこの上ないチャンスを授けてくださいました。
一流のフラワーアーティストの元で直接指導を受けられるなんて僥倖は滅多にあるものではありません。
その上、ミシェルは学生の身でありながらオテル・ド・カザマという一流ホテルの花装飾を任せられた実績と栄誉が与えられたのです。
これらは彼が将来フラワーアーティストとなった時、どれだけの財産となることでしょう。
貴方は自分が憎まれ役を買って、それをさらりとやってのけられた。
…だから私は貴方が大好きなのです」
風間はふっと表情を和らげて、肩を竦め苦笑した。
「…やれやれ…。
すべて、お見通しか…」
「ええ。もちろん」
風間は、ふんと唇を歪めた。
「勘違いするなよ。
あくまで瑠璃子のためだ。
瑠璃子の夫がショボい男だと思われたくな…」
風間の琥珀色の瞳が驚きに見開かれる。
…暁の桜色の口唇が、優しく…けれど大胆に風間の唇を奪い、押し包んでいたのだ。
それはかつて彼らが交わした甘美で濃密で艶めいた恋人同士の口づけにほかならなかった。
「…暁…」
長く甘く…そして切ない薫りがする口づけの合間に、暁は蠱惑的な美しい瞳を煌めかせ、微笑った。
「…ご褒美です…」