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異邦人の庭 〜secret garden〜
第17章 secret garden 〜永遠の庭〜
「良かった…。気がついたんだね」
藤木がほっとしながら、紗耶の傍らに腰を下ろした。
…懐かしい深い森に咲く百合と、モッシーの薫りが漂った。
…先生…だわ…。
本物の…先生だわ。
「きみは気を失っていたんだよ。
多分、軽い熱中症だね。
暑い中、歩き回って疲れていたんだ」
…無茶をするから…
と、優しく頭を撫でられる。
その美しい榛色の瞳と視線が合う。
…ずっとずっと恋焦がれていた瞳…。
けれど、まだ、藤木が自分の目の前にいることが信じられない。
なんだか気恥ずかしくて、俯いてしまう。
「…あ…」
初めて、洋服が着替えさせられていることに気づく。
真珠色のジョーゼットのナイトドレス…。
裾は長く踝まである。
袖はパフスリーブ、胸元が広く開き、繊細なレース飾りが施されている。
綺麗で清潔なものだが、とてもクラシカルな…アンティークショップで見かけるようなデザインだ。
「…そのドレス、瑠璃子さんが下さったんだよ。
瑠璃子さんのお若い頃のものらしい」
「まあ…!瑠璃子さんが?
…お礼を申し上げなきゃ…」
…と、あることに気づき、紗耶は俄かに動揺した。
「せ、先生が着替えさせたの…?」
…ということは…下着姿を見られたということだ…。
紗耶の全身にかっと羞恥が駆け巡る。
「そうだよ。楽な服の方がいいと思って…」
榛色の瞳が、可笑しげに微笑んでいる。
「…どうしたの?」
紗耶は首を振る。
「…なんでもな…」
…そのまま抱き竦められてた…。
「…夢みたいだ…。
僕の腕の中に、紗耶がいる…。
…会いたかった…ずっと…」
男の言葉に、凝り固まりっていた心の澱が、ゆっくりと押し流されてゆく。
「…先生…!」
紗耶も藤木を抱き返す。
…夢ではないことを、確かめるために。
「…会いたかったわ…。
会いたくて…会いたくて…」
…けれど、言葉にすると、それはあまりに陳腐で、紗耶はもどかしくなる。
…だから、自分から乞うのだ。
「…キスして…先生…」
「…紗耶…!」
…男の愛おしい薫りが、濃く、激しく、紗耶を覆い尽くした…。
藤木がほっとしながら、紗耶の傍らに腰を下ろした。
…懐かしい深い森に咲く百合と、モッシーの薫りが漂った。
…先生…だわ…。
本物の…先生だわ。
「きみは気を失っていたんだよ。
多分、軽い熱中症だね。
暑い中、歩き回って疲れていたんだ」
…無茶をするから…
と、優しく頭を撫でられる。
その美しい榛色の瞳と視線が合う。
…ずっとずっと恋焦がれていた瞳…。
けれど、まだ、藤木が自分の目の前にいることが信じられない。
なんだか気恥ずかしくて、俯いてしまう。
「…あ…」
初めて、洋服が着替えさせられていることに気づく。
真珠色のジョーゼットのナイトドレス…。
裾は長く踝まである。
袖はパフスリーブ、胸元が広く開き、繊細なレース飾りが施されている。
綺麗で清潔なものだが、とてもクラシカルな…アンティークショップで見かけるようなデザインだ。
「…そのドレス、瑠璃子さんが下さったんだよ。
瑠璃子さんのお若い頃のものらしい」
「まあ…!瑠璃子さんが?
…お礼を申し上げなきゃ…」
…と、あることに気づき、紗耶は俄かに動揺した。
「せ、先生が着替えさせたの…?」
…ということは…下着姿を見られたということだ…。
紗耶の全身にかっと羞恥が駆け巡る。
「そうだよ。楽な服の方がいいと思って…」
榛色の瞳が、可笑しげに微笑んでいる。
「…どうしたの?」
紗耶は首を振る。
「…なんでもな…」
…そのまま抱き竦められてた…。
「…夢みたいだ…。
僕の腕の中に、紗耶がいる…。
…会いたかった…ずっと…」
男の言葉に、凝り固まりっていた心の澱が、ゆっくりと押し流されてゆく。
「…先生…!」
紗耶も藤木を抱き返す。
…夢ではないことを、確かめるために。
「…会いたかったわ…。
会いたくて…会いたくて…」
…けれど、言葉にすると、それはあまりに陳腐で、紗耶はもどかしくなる。
…だから、自分から乞うのだ。
「…キスして…先生…」
「…紗耶…!」
…男の愛おしい薫りが、濃く、激しく、紗耶を覆い尽くした…。