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第17章 secret garden 〜永遠の庭〜

「…だめだよ…紗耶…。
言うことを聞いて…」
絹のように滑らかな美声が、紗耶の鼓膜を震わせる。

「…さあ、腰を高く上げて…。
…そう。
…いい子だね」
そのまま、腰を高く掲げられ、脚を押し開かれた。

「…あ…っ…！
…んんっ…！」
…紗耶の蜜に塗れた花陰に三たび触れる男の硬く熱い牡は、些かも衰えを見せてはいなかった。

「…もう…痛くはない…？」
…ゆっくりと雄蕊を挿入しながら、耳朶を噛まれる。

「…ああ…ん…っ…！
…まっ…て…おねが…い…」
「…待たない…待てない…」
…我慢できない。ごめんね…
詫びられながら、熱い舌をうなじに這わされる。

「…ああ…っ…！
…挿入って…」
譫言のように、口唇を震わせる。
灼熱の塊りが、先程とは違う角度で紗耶の体内を支配する。

「…そうだよ…。
…また…紗耶を犯す…。
…きみを…僕なしではいられない身体にする…」
「…あぁ…ん…っ…はあ…っ…ん…！」
…変えられてしまう…。
この男に…身も…心も…何もかも…。

切ないような、幸福なような、不思議な恍惚感が紗耶をじわりと絡めとる。

…男の律動が、ゆっくりと力強く開始される。
二人の繋がっているあわいから、淫らな水音が響き始める。
獣の体位で、浅ましく、欲情に満ちた…けれど、紛れもなく愛の行為を繰り返す。

「…ああ…はあ…ああ…ん…っ…。
…いい…きもち…い…い…」
痛みはもう消え果てていた。
…あるのは、痺れるような甘くて気怠いどろりとした仄暗い快楽だけだ。

「…もっと気持ちよくしてあげるよ…。
…もっともっと…乱れた紗耶が見たい…」
…言葉とともに激しい抽送が始まる。
紗耶も自分から華奢な腰を蠢かす。

「…ああ…っ…や…ああ…ん…っ…。
…おかしく…なりそ…う…んんっ…」
…もはや、何を言っているのか、自分でも定かではなかった。
腰から背筋にかけて、何度も悦楽の痺れが走り、白い喉をのけ反らせる。

「…紗耶…。愛してるよ…」
「…せんせ…い…わたし…も…んんっ…！」
…まるでヴァンパイヤのように、頸を噛まれ、口唇を奪われる。
それが、甘美なる快楽への沼に堕ちゆくきっかけになる。

二人は我を忘れて、お互いを需め続けた。
…男の欲望の樹液と、紗耶の愛蜜に、塗れながら…。