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異邦人の庭 〜secret garden〜
第4章 ミス・アリスと午後のお茶を…
「さっきの話の続きだけどさ、あんたさマジでうちのサークル、入ってくんないかな?
ちゃんと女子もいるし。…まあ、あんたみたいなお上品なお嬢様タイプはいないけどさ。
がらっぱちな男勝り系が多いけど、みんな気がいいヤツばかりだからさ」
「…あの…。本当に飲みサーではないですか?」
…菜月のアドバイスを確認する。
ここが一番大切なポイントだ。
「ちげーよ。そんなチャラいサークルなんかじゃない。
真面目なガチな弦楽サークルだよ。
…けど、やるのはロックな」
「…はあ…」
…クラシック楽器でロック…と言うのが紗耶にはまだピンとこないのだ。
「じゃあさ、これ見てみ。
このヴァイオリ二ストの動画」
隼人が自分のスマートフォンを取り出し、YouTubeのアプリを開きある動画を紗耶に見せた。
「…デイビッド・ギャレット…?」
その動画には長い金髪を無造作に束ねたまだ若い欧米人の男性がアップテンポな曲に合わせ、自由自在に…実に伸び伸びと大胆に…けれど繊細に艶めいてヴァイオリンを弾いていたのだ。
彼が奏でる美しくも激しいメロディに胸が切なくなる。
…このひと…凄い…!
紗耶は息を飲む。
「曲はViva La Vida。
コールドプレイていうUKのロックバンドの曲なんだけど、このヴァイオリ二ストがカバーしているんだ。
めっちゃかっけーだろ?」
「…本当ですね…。音が伸びやかで、自由で…どことなく…その…官能的と言うか…」
「いいこと言うねえ。そう!ギャレットのヴァイオリンは色気ムンムンなんだよ」
隼人が嬉しそうに頷いた。
「クラシックの楽器でロックを演奏すると意外な色気が醸し出されるんだ。
ギャップつーかなんつーか。
俺はそれが好きなんだ。
クラシックとかロックとかの堅苦しい枠を外した、ただ単純にクールな音楽!て感じでさ。
2cellosていうチェリストの兄弟の音楽もそうだ。
彼らの音楽はまさにロックだ。
今度検索して聴いてみな」
「は、はい…。
へえ…。こんな音楽があるんですね…」
…ずっと、ヴァイオリンはクラシック曲だけを弾くものだと思っていた。
それ以外は弾いてはいけないと思っていた。
思い込んでいた。
「な?弾いてみたいって思っただろ?」
隼人が悪戯っぽく紗耶に目配せをした。
紗耶は恥じらいながら小声で答えた。
「…ええ…その…少しだけ…」
ちゃんと女子もいるし。…まあ、あんたみたいなお上品なお嬢様タイプはいないけどさ。
がらっぱちな男勝り系が多いけど、みんな気がいいヤツばかりだからさ」
「…あの…。本当に飲みサーではないですか?」
…菜月のアドバイスを確認する。
ここが一番大切なポイントだ。
「ちげーよ。そんなチャラいサークルなんかじゃない。
真面目なガチな弦楽サークルだよ。
…けど、やるのはロックな」
「…はあ…」
…クラシック楽器でロック…と言うのが紗耶にはまだピンとこないのだ。
「じゃあさ、これ見てみ。
このヴァイオリ二ストの動画」
隼人が自分のスマートフォンを取り出し、YouTubeのアプリを開きある動画を紗耶に見せた。
「…デイビッド・ギャレット…?」
その動画には長い金髪を無造作に束ねたまだ若い欧米人の男性がアップテンポな曲に合わせ、自由自在に…実に伸び伸びと大胆に…けれど繊細に艶めいてヴァイオリンを弾いていたのだ。
彼が奏でる美しくも激しいメロディに胸が切なくなる。
…このひと…凄い…!
紗耶は息を飲む。
「曲はViva La Vida。
コールドプレイていうUKのロックバンドの曲なんだけど、このヴァイオリ二ストがカバーしているんだ。
めっちゃかっけーだろ?」
「…本当ですね…。音が伸びやかで、自由で…どことなく…その…官能的と言うか…」
「いいこと言うねえ。そう!ギャレットのヴァイオリンは色気ムンムンなんだよ」
隼人が嬉しそうに頷いた。
「クラシックの楽器でロックを演奏すると意外な色気が醸し出されるんだ。
ギャップつーかなんつーか。
俺はそれが好きなんだ。
クラシックとかロックとかの堅苦しい枠を外した、ただ単純にクールな音楽!て感じでさ。
2cellosていうチェリストの兄弟の音楽もそうだ。
彼らの音楽はまさにロックだ。
今度検索して聴いてみな」
「は、はい…。
へえ…。こんな音楽があるんですね…」
…ずっと、ヴァイオリンはクラシック曲だけを弾くものだと思っていた。
それ以外は弾いてはいけないと思っていた。
思い込んでいた。
「な?弾いてみたいって思っただろ?」
隼人が悪戯っぽく紗耶に目配せをした。
紗耶は恥じらいながら小声で答えた。
「…ええ…その…少しだけ…」