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異邦人の庭 〜secret garden〜
第4章 ミス・アリスと午後のお茶を…
隼人が眼を輝かせた。
「じゃあ入部決まりな!やったぜ!」
ガッツポーズする隼人に、紗耶は慌ててぶんぶんと手を振る。
「で、でも!私はこんなに上手じゃないです!
この方はヴァイオリ二ストとして超技巧の持ち主ですし、元々類い稀な凄い才能に恵まれた方なんです。だから…」
「わかってるって。
誰もこんなハイパースーパーレベルを求めちゃいないさ。
…一緒に練習して上手くなればいいじゃん」
…笑いかけてくる眼が優しい。
紗耶はほっとした。
「…は、はい…。
それなら…やってみようかな…て思います…」
「よし!
…じゃあ、これからよろしくな。紗耶」
いきなり名前を呼び捨てにされてどきりとする。
…千晴お兄ちゃまにも呼び捨てにされたこと、ないのに…。
「…あの…。名前…呼び捨てはちょっと…」
遠慮勝ちに異を唱える。
隼人は訝しげに眉を寄せた。
「なんでだよ。うちのサークルはみんな名前呼びだよ。
後輩は呼び捨て。それが伝統。ロックだからな!
俺のことは隼人先輩な。
あ!きたきた!定食きた!待ってました!おばちゃん!」
味噌の甘辛い良い匂いが漂ったかと思うと、隼人が子どものようにはしゃいだ声を立てた。
「はいはい、おまたせ。
…お嬢ちゃん。隼人くん、口は悪いけどすごく優しくて後輩思いで良い子だからね。よろしくね。
…そんでもって気が向いたらカノジョになってあげてね」
女将が定食を運びながら、紗耶に笑いかけた。
「余計なこと言うんじゃねえよ、ババア」
と、憎まれ口を聴きながら
「ほら、早く食え」
紗耶に割り箸を渡してくれた。
「…は、はい。
…いただきます…」
…他人の…しかも男のひとと食事をするのは生まれて初めてだな…。
紗耶はどきどきしながら、箸を手に取った。
「じゃあ入部決まりな!やったぜ!」
ガッツポーズする隼人に、紗耶は慌ててぶんぶんと手を振る。
「で、でも!私はこんなに上手じゃないです!
この方はヴァイオリ二ストとして超技巧の持ち主ですし、元々類い稀な凄い才能に恵まれた方なんです。だから…」
「わかってるって。
誰もこんなハイパースーパーレベルを求めちゃいないさ。
…一緒に練習して上手くなればいいじゃん」
…笑いかけてくる眼が優しい。
紗耶はほっとした。
「…は、はい…。
それなら…やってみようかな…て思います…」
「よし!
…じゃあ、これからよろしくな。紗耶」
いきなり名前を呼び捨てにされてどきりとする。
…千晴お兄ちゃまにも呼び捨てにされたこと、ないのに…。
「…あの…。名前…呼び捨てはちょっと…」
遠慮勝ちに異を唱える。
隼人は訝しげに眉を寄せた。
「なんでだよ。うちのサークルはみんな名前呼びだよ。
後輩は呼び捨て。それが伝統。ロックだからな!
俺のことは隼人先輩な。
あ!きたきた!定食きた!待ってました!おばちゃん!」
味噌の甘辛い良い匂いが漂ったかと思うと、隼人が子どものようにはしゃいだ声を立てた。
「はいはい、おまたせ。
…お嬢ちゃん。隼人くん、口は悪いけどすごく優しくて後輩思いで良い子だからね。よろしくね。
…そんでもって気が向いたらカノジョになってあげてね」
女将が定食を運びながら、紗耶に笑いかけた。
「余計なこと言うんじゃねえよ、ババア」
と、憎まれ口を聴きながら
「ほら、早く食え」
紗耶に割り箸を渡してくれた。
「…は、はい。
…いただきます…」
…他人の…しかも男のひとと食事をするのは生まれて初めてだな…。
紗耶はどきどきしながら、箸を手に取った。