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異邦人の庭 〜secret garden〜
第4章 ミス・アリスと午後のお茶を…
「…美味しい…!」
ホルモン焼きを一口食べて、紗耶は思わず小さく叫んだ。
飴色のぷりぷりしたホルモンはとても柔らかく、それでいて歯ごたえもあり肉とはまた違う豊かな味わいだった。
ホルモンによく味が染みた甘辛い味噌ダレも驚くほどに美味しい。
「だろ?」
隼人が得意げに笑う。
「ここのホルモン焼きを食ったら、ホルモン嫌いも直っちまうんだよな。
臭みも癖もないから食べやすいし、メシが進むんだよ。
博多出身の俺が言うんだから間違いなし!
おばちゃん!美味いってさ!」
「ありがとねー!
可愛いお嬢ちゃん!ご飯、味噌汁、お代わり自由だからたくさん食べてね!」
カウンターの中から陽気な声が響いた。
「はい!ありがとうございます!」
カウンターに向かって精一杯大きな声で答える。
「…あの…隼人さん先輩、博多ご出身なんですか?」
隼人が吹き出す。
「隼人先輩でいいよ。
そ。俺、生まれも育ちも博多。
家は中洲で水炊きの店をやってんの。
だから肉にはちとうるさい」
「…へえ…。博多…」
「福岡、行ったことある?」
「いいえ、ありません。
…長崎はあるんですけれど…修学旅行で」
「ああ、ハウステンボスね」
わしわしと丼飯を気持ちよく掻っ込みながら隼人が頷く。
「…いいえ、ハウステンボスは行かなかったんですけれど、市内の天主堂や修道院や…黒島の天主堂に見学とお祈りに行きました」
隼人が箸を止める。
「へ?お祈り?」
「カトリックの学校だったので、シスターたちと聖地巡礼の旅でした」
生真面目に答える紗耶に、隼人は居住まいを正しながら神妙な貌をした。
「…なるほど…」
…そうして…
「…あんた、マジ純粋培養のお嬢様なんだな…」
とため息まじりに呟いた。
ホルモン焼きを一口食べて、紗耶は思わず小さく叫んだ。
飴色のぷりぷりしたホルモンはとても柔らかく、それでいて歯ごたえもあり肉とはまた違う豊かな味わいだった。
ホルモンによく味が染みた甘辛い味噌ダレも驚くほどに美味しい。
「だろ?」
隼人が得意げに笑う。
「ここのホルモン焼きを食ったら、ホルモン嫌いも直っちまうんだよな。
臭みも癖もないから食べやすいし、メシが進むんだよ。
博多出身の俺が言うんだから間違いなし!
おばちゃん!美味いってさ!」
「ありがとねー!
可愛いお嬢ちゃん!ご飯、味噌汁、お代わり自由だからたくさん食べてね!」
カウンターの中から陽気な声が響いた。
「はい!ありがとうございます!」
カウンターに向かって精一杯大きな声で答える。
「…あの…隼人さん先輩、博多ご出身なんですか?」
隼人が吹き出す。
「隼人先輩でいいよ。
そ。俺、生まれも育ちも博多。
家は中洲で水炊きの店をやってんの。
だから肉にはちとうるさい」
「…へえ…。博多…」
「福岡、行ったことある?」
「いいえ、ありません。
…長崎はあるんですけれど…修学旅行で」
「ああ、ハウステンボスね」
わしわしと丼飯を気持ちよく掻っ込みながら隼人が頷く。
「…いいえ、ハウステンボスは行かなかったんですけれど、市内の天主堂や修道院や…黒島の天主堂に見学とお祈りに行きました」
隼人が箸を止める。
「へ?お祈り?」
「カトリックの学校だったので、シスターたちと聖地巡礼の旅でした」
生真面目に答える紗耶に、隼人は居住まいを正しながら神妙な貌をした。
「…なるほど…」
…そうして…
「…あんた、マジ純粋培養のお嬢様なんだな…」
とため息まじりに呟いた。