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異邦人の庭 〜secret garden〜
第4章 ミス・アリスと午後のお茶を…
「…ご馳走様でした…。
あの…本当にご馳走になってよいのでしょうか?」
店を出たところで、紗耶はお礼を言いながらおずおずと尋ねた。
隼人はあっさりと首を振りながら笑った。
「いいって。ワンコイン定食だぜ?
それくらいの財力はあるさ。
…ま、あんたんちみたいな金持ちじゃないけどさ」
「…いいえ、そんな…」
どう答えていいか分からず言葉を濁していると、
「紗耶んちってどこ?最寄りの駅まで送るよ。
路線、迷うといけないだろ」
「松濤です…」
…実家は奥沢ですけれど…とそっと心の中で付け加える。
学生証にも松濤の住所が登録されているのだから、間違いではない。
隼人のきりりとした眉がピクリと動いた。
「…松濤って…渋谷の松濤?」
「はい」
「…あのお屋敷街の松濤?」
「…はい…」
隼人が唸った。
「…参った。スーパーハイパーお嬢様だな…」
あの…本当にご馳走になってよいのでしょうか?」
店を出たところで、紗耶はお礼を言いながらおずおずと尋ねた。
隼人はあっさりと首を振りながら笑った。
「いいって。ワンコイン定食だぜ?
それくらいの財力はあるさ。
…ま、あんたんちみたいな金持ちじゃないけどさ」
「…いいえ、そんな…」
どう答えていいか分からず言葉を濁していると、
「紗耶んちってどこ?最寄りの駅まで送るよ。
路線、迷うといけないだろ」
「松濤です…」
…実家は奥沢ですけれど…とそっと心の中で付け加える。
学生証にも松濤の住所が登録されているのだから、間違いではない。
隼人のきりりとした眉がピクリと動いた。
「…松濤って…渋谷の松濤?」
「はい」
「…あのお屋敷街の松濤?」
「…はい…」
隼人が唸った。
「…参った。スーパーハイパーお嬢様だな…」