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異邦人の庭 〜secret garden〜
第5章 ペニー・レーンの片想い
「みんな、新入部員を紹介する。
二宮紗耶さんだ。
ヴァイオリンを三歳から習っていると聞いて勧誘したんだ」

部室内から野太い歓声が上がる。
「うお〜!とうとうキタか!
ヴァイオリンが!」
「隼人!グッジョブ!」
「今まで何人も隣のオケ部に掻っ攫われてよ〜!
何度煮え湯を飲まされたことか!」
「…仕方ねえ。俺たちは異端のロッカーだ。
逆境に耐えてこそ強くなる!それがロックだろ!」
うお〜!…と、勝鬨が上がり、そこかしこでギターやベースやチェロの甲高いチューニング音が掻き鳴らされる。

…なんだかよくわからないが、皆、感激屋で熱い男たちのようだ…。

「ちょっと!あんたたち!せっかく入ってくれたんだよ。
二宮さん、びっくりしてるじゃないのよ。
喋らせてあげなさいよ。まったく…」
ド金髪のふわふわパーマ頭の二年生らしき女子が、まるでやんちゃな弟たちを叱る姉のように一喝した。
「アネゴ、すまねえ」
隼人がエレキギターを弾きながら詫びた。

アネゴと呼ばれた女子が紗耶に優しく笑った。
「初めまして。
私は文学部二年の大導寺梢。楽器は津軽三味線。よろしくね」
紗耶は慌てて頭を下げた。
「二宮紗耶です…!…文学部です!よろしくお願いいたします…!」

今まで窓辺でイヤフォンを熱心に聞いていたグレイアッシュの髪の青年が不意に立ち上がり叫んだ。
「単勝取った〜ッ!
よしッ!俺が奢る!みんな!ヴァイオリンのお姫様の歓迎会に行くぞッ!」
再び、部室が揺れるほどの大歓声が上がった。

呆気に取られる紗耶に、アネゴがウィンクしてみせる。

「バカばっかでしょ。
でも、みんないいヤツばっかだからさ」

「…は、はあ…」
紗耶は初めて見る光景に眼を見張りながら、けれどようやくほっとしたような笑みが浮かんだ。

…なんだか…面白そう…かな…。


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