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sweet / 狂おしく咲く椿
第2章 御曹司
「謝らないでください、素敵なお話が聞けて良かったです」

ふわりと営業スマイルを浮かべる。

ぺこぺこと謝っていた椿さんは頭を上げ、安心した笑みで私を見つめた。

「好きなことの話になるとついつい熱くなっちゃって…、ほんとご迷惑かけちゃいました…」

さっきよりは随分落ち着いた様子だけど、やはりまだ謝り足りないのか申し訳なさそうに私を見つめ、ごめんなさい…と小さく呟いていた。

「いえいえ、あの生花のことなんですが…」

椿さんは生花のいう言葉を耳にするとぱあっと表情を明るくした。

「来て頂けますか⁈」

キラキラした眼差しを向けられる。

「私、着物も持ってないし…月謝も払えないと思うので…」

眉を下げ椿さんを見上げる

すると突然、彼は私の手をギュッと握りしめた

「着物なんて僕が凛さんにプレゼントします…‼それに僕は貴女に月謝を取ることなんて考えていません…、ただもっと貴女を知りたくて——」

一気に距離を縮められ、椿さんの瞳に私の顔が映る。

「僕は——」

と言いかけたその時だった。
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