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リップ・エレクト【完結】
第3章 困った症状💖
謹慎初日の夜
”…そもそもこのPTに着手してから、オレはすっかりのぼせ上がっていたわ。この際、謹慎期間に頭を冷やして、レジェンヌに対するオレの姿勢を正そう。もちろん、あの人の捉え方も含めて…”
そう…、風間トシヤがここまでレジェンヌPTに前のめりとなる要因の根底には、中原アキという女性上司への自分の気持ち自体が大きく作用していたのだ。
”ふふ‥、そうだよな、オレはこのプロジェクトを成功させ、新商品化された後、その後の市場連略でも営業部への発言権を持てる下地を作れば、あのカラダを再び抱ける…。ふふ‥、早い話、それをエンジンにしてたよ、正直…。要は下心まずはありきってことだった”
ここまではスンナリであったが…。
”…それは最初から認識してたし、何と言っても中原課長がそれをあらかじめ了解してもらってのスタートだった。だけどあの夜…、一回だがあの人と寝たことで、会社では上司に当たる女性へのオレとしての、心と体両方がバランスを失った。職場であの人と接するだけでこうも性的に高揚するなんて…。それを振りきろうとする気負いが、返ってPTでもはやる気持ちを後押ししちゃったようだ”
彼の視線は今だ、手元のスマホ画面に映る小さな”てかる唇”から離れていなかった…。
***
”しかし、そのオレの胸の内、中原課長はおそらく透かすように見えていただろうよ。そうであれば、今日の激しい叱責はすべて、それこそレジェンヌPTの今後とオレのこと、全部をトータルで見据えた上でのことなのか…。課長…、あなたはどうして、そんなにオレを虜にするんです!これからもPTの過程で、自分は常にあなたに魅入られ続けて困った症状と戦い続けなきゃならない…。つらいよ、課長~!”
この時のトシヤには、頭の中の整理はここまでが限界だった。
そして、その後は己の心に従い、スマホの登録連絡先からひとつのケータイ番号を選択し、その場で発信した…。
それから約3時間後、彼は自宅から出て、都内某所で一人の若い女性と食事を共にしていた。
”…そもそもこのPTに着手してから、オレはすっかりのぼせ上がっていたわ。この際、謹慎期間に頭を冷やして、レジェンヌに対するオレの姿勢を正そう。もちろん、あの人の捉え方も含めて…”
そう…、風間トシヤがここまでレジェンヌPTに前のめりとなる要因の根底には、中原アキという女性上司への自分の気持ち自体が大きく作用していたのだ。
”ふふ‥、そうだよな、オレはこのプロジェクトを成功させ、新商品化された後、その後の市場連略でも営業部への発言権を持てる下地を作れば、あのカラダを再び抱ける…。ふふ‥、早い話、それをエンジンにしてたよ、正直…。要は下心まずはありきってことだった”
ここまではスンナリであったが…。
”…それは最初から認識してたし、何と言っても中原課長がそれをあらかじめ了解してもらってのスタートだった。だけどあの夜…、一回だがあの人と寝たことで、会社では上司に当たる女性へのオレとしての、心と体両方がバランスを失った。職場であの人と接するだけでこうも性的に高揚するなんて…。それを振りきろうとする気負いが、返ってPTでもはやる気持ちを後押ししちゃったようだ”
彼の視線は今だ、手元のスマホ画面に映る小さな”てかる唇”から離れていなかった…。
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”しかし、そのオレの胸の内、中原課長はおそらく透かすように見えていただろうよ。そうであれば、今日の激しい叱責はすべて、それこそレジェンヌPTの今後とオレのこと、全部をトータルで見据えた上でのことなのか…。課長…、あなたはどうして、そんなにオレを虜にするんです!これからもPTの過程で、自分は常にあなたに魅入られ続けて困った症状と戦い続けなきゃならない…。つらいよ、課長~!”
この時のトシヤには、頭の中の整理はここまでが限界だった。
そして、その後は己の心に従い、スマホの登録連絡先からひとつのケータイ番号を選択し、その場で発信した…。
それから約3時間後、彼は自宅から出て、都内某所で一人の若い女性と食事を共にしていた。