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飛べないあの子
第2章 揺らぐ影
凛は響の言葉を心の中で繰り返した。
響の言葉に違和感を覚えた。

「凛?どうしたの?」
「え・・・・・・。ああ、ごめん」
「もー?大丈夫?凛は最近どうなの?良い人できた?」
「全然」
「そっかー。凛は顔もちっさいし、目もおっきいし、もう少し愛想良かったらモテモテだと思うんだけどねぇ・・・・・・」

その時響のスマホが鳴った。
パ!と顔が明るくなる。

「城田だ!・・・・・・・早く帰ってきてよ、だって」

嬉しそうな笑顔は、恋する乙女のそれだった。

「じゃあ、早く帰ってあげなきゃね」
「うん。そうする。あ、凛ありがとうね。凛のおかげで、今の彼のことをちゃんと見ようって思ったよ」
「うん・・・・・・・。頑張ってね」

響はうきうきして手を振って去っていった。

(今の彼のことを見てあげたら・・・・・か・・・・・・・)

凛は良く言うよ、と自分に突っ込みを入れた。
あの時、慧は『周りに勝手に作られた印象を引きずられても困ります』と言っていた。
今の慧は、少なくとも以前のような‘他人には興味が無い’という冷たい振る舞いをすることはない。
生徒や他の講師にも真摯に対応していると思う。
でも、あの時、凛に脅迫するようなことを言った時の慧は、やっぱり昔を彷彿とさせるものがあったのも確かだ。
一体、何をもって慧という人物について判断したらいいのかわからなくなる。

(つまりは・・・・・・結局のところ、私、あの人のこと何も知らないんだ・・・・・・)

ただ一つ、はっきりしていることがあった。
慧に対して、ざまーみろとなどと思って、胸がすくということは絶対にない。
それがなぜなのか・・・・・・。
凛は響のいなくなった席をぼんやり眺めながら、自問自答したのだった。

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