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飛べないあの子
第4章 刻まれるキス
『どこに行けばいいですか?』

慧は本当に来るつもりのようだった。
凛は急いで返事を打った。

『お休みの日にわざわざ出てきてもらうのも申し訳ないので、大丈夫です。またお願いします』
『もう、家出ました』

「・・・・・・・・・」

昨日の今日で、慧と二人で飲みに行くのはさすがに抵抗がある。
酒が入って、どこまで自分の意志を保てるのか自信がない。
どうしようかと思っているところに、母からメールが入ってきた。
もう開封する気も起きない。

(もー・・・・・・・。どうでもいいや・・・・・・・)

あれこれ考え過ぎて、頭が重たい。
慧を断り続ける方が体力を消耗すると判断して、凛は降参して返事した。

『行きたいお店があるんです。遠いけどいいですか?』
『大丈夫です』

凛はアカネの屋台の場所の地図を送信した。



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