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飛べないあの子
第1章 再会
「中谷先生~」
「はい」
「一緒に帰りませんか?」

凛は明日の授業で使うプリントの印刷をしていた。
一番仲が良く、飲み仲間でもある乃木麻子が声をかけてきた。
飲みに行こうというジェスチャーをしている。
麻子は国語の講師で、凛より四つ上の三十歳。
明るくポジティブな性格で、凛と同じくらい酒が好きだった。
基本的に凛は誰かと仲良くなるまでに時間がかかるタイプだが、麻子と仲良くなるのは早かった。
すこしふっくらした体型のため、線の細い凛をいつも羨ましがっていたが、凛にしてみたら誰とでもすぐ打ち解けられる麻子のことが羨ましかった。
凛は一度打ち解けると心を許して喜怒哀楽を見せるようになるし良く話すが、それまでが長い。
自分でもめんどくさい女だと思うが、過去に頑張って愛想良くしようとしては酷いストレスで不調をきたしてきたのでやめた。
そんな自分でも根気よく誘ってくれる人がいることに感謝している。
麻子の背後に慧と講師数人の姿が見えた。
もう慧と飲みに行けるような関係を築いていることに内心驚くが、表情に出さずに、凛は首を横に振った。

「私、まだやることがあるので今日は遠慮しておきます」
「そうですか。じゃあ、お疲れさまです~」
「お疲れさまです」

印刷を終えて席に戻る。
その後、慧とは特に接点もなく、お互い存在を気にするわけでもなく淡々と過ごしていた。
慧はアルバイトなので毎日出勤するわけではなかったから、顔を合わせない日があることが救いだった。
会話もしない、視線も合わさない。
ずっとこの距離のままでいたかった。
明日の準備を終えると、凛はすぐに帰り支度をして校舎を出た。

「中谷先生」

呼びとめられて振り向くと、校舎の端に慧が立っていた。
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