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飛べないあの子
第4章 刻まれるキス
三人でアカネの駆け落ちの話で盛り上がり、そろそろ帰ろうとなった時に、慧のスマホが鳴った。
慧は、ちょっとすみませんと言って席を外し、少し離れた場所で電話で話し始めた。
「凛先生のもう一つの悩み当ててあげる。西辻先生に押されて、嬉しいけど困ってる」
凛はアカネを見て動きを止めた。
「いえ・・・・・・・押されたりしてませんけど・・・・・・」
「えー?先生、本気で言ってる?もう西辻先生からビンビンに矢印出てるじゃない~」
「矢印?」
「好きの矢印。見えない?」
「・・・・・・・・・」
凛は離れた場所で電話している慧の背中を見た。
「見えませんよ。もう一杯おかわりください」
「今日はそのくらいにしといたら?」
「ください」
アカネは苦笑して凛のグラスに日本酒を注いだ。
「いい人じゃない?お休みの日の、こんな時間にわざわざ遠くまで電車乗ってきてくれて、お酒も料理も凛先生に合わせてくれてさ。なにかダメな理由でもあるの?」
「ダメな理由というか・・・・・・・」
凛はもう一度慧を見た。まだ電話をしているのを確認して声をひそめる。
「実は、高校の同級生なんです」
「へ~!予備校で再会したってこと?偶然?それはすごいね!」
「はい。でも・・・・・・高校の時の印象が良くなくて」
「ふんふん。なるほどね~。大人になったら素敵な人になってて、混乱していると」
「素敵かどうかはわかりませんけど、思ってたより悪い人じゃなかったっていう感じで・・・・・・」
凛は照れを隠すように箸の袋をぐねぐねと弄った。
「いいじゃない。昔は昔。今良いと思えるなら受け入れちゃえ!凛先生も、少しは気になってるんでしょう?あれだけかっこいいんだもん」
「・・・・・・良くわからないんです。容姿でいうと特にタイプというわけではないし・・・・・・。でも、尊敬はしてます。頭良くて、自分のやりたいことがしっかりあって、それをちゃんと達成しているところとか」
「尊敬ねえ・・・・・・・。まあ、西辻先生からしてみたら尊敬より‘好き‘が欲しいところだろうね」
慧は、ちょっとすみませんと言って席を外し、少し離れた場所で電話で話し始めた。
「凛先生のもう一つの悩み当ててあげる。西辻先生に押されて、嬉しいけど困ってる」
凛はアカネを見て動きを止めた。
「いえ・・・・・・・押されたりしてませんけど・・・・・・」
「えー?先生、本気で言ってる?もう西辻先生からビンビンに矢印出てるじゃない~」
「矢印?」
「好きの矢印。見えない?」
「・・・・・・・・・」
凛は離れた場所で電話している慧の背中を見た。
「見えませんよ。もう一杯おかわりください」
「今日はそのくらいにしといたら?」
「ください」
アカネは苦笑して凛のグラスに日本酒を注いだ。
「いい人じゃない?お休みの日の、こんな時間にわざわざ遠くまで電車乗ってきてくれて、お酒も料理も凛先生に合わせてくれてさ。なにかダメな理由でもあるの?」
「ダメな理由というか・・・・・・・」
凛はもう一度慧を見た。まだ電話をしているのを確認して声をひそめる。
「実は、高校の同級生なんです」
「へ~!予備校で再会したってこと?偶然?それはすごいね!」
「はい。でも・・・・・・高校の時の印象が良くなくて」
「ふんふん。なるほどね~。大人になったら素敵な人になってて、混乱していると」
「素敵かどうかはわかりませんけど、思ってたより悪い人じゃなかったっていう感じで・・・・・・」
凛は照れを隠すように箸の袋をぐねぐねと弄った。
「いいじゃない。昔は昔。今良いと思えるなら受け入れちゃえ!凛先生も、少しは気になってるんでしょう?あれだけかっこいいんだもん」
「・・・・・・良くわからないんです。容姿でいうと特にタイプというわけではないし・・・・・・。でも、尊敬はしてます。頭良くて、自分のやりたいことがしっかりあって、それをちゃんと達成しているところとか」
「尊敬ねえ・・・・・・・。まあ、西辻先生からしてみたら尊敬より‘好き‘が欲しいところだろうね」