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飛べないあの子
第4章 刻まれるキス
「それなんですけど、あの人から感じるのは‘好き’とかいう感情ではなくて‘攻略してやる’みたいな雰囲気を感じるんですよね・・・・・・。ほら、私が無愛想でなかなか打ち解けないものだから・・・・・・」
「え?恋愛なんてそんなものじゃないの?お互い歩み寄って結ばれるか、どちらか一方が攻めるかでしょ?」
「・・・・・・・何か罠があるんじゃないかって思っちゃうんです。だって西辻君て、高校では王様みたいな扱いで、私なんて平民でしたし」
「罠?それは考えすぎだよ~。西辻先生の目、演技じゃないよ。私にはわかる」
「・・・・・・・・」

経験豊富なアカネに言われると、そうなのかなと思ってしまう。
凛は日本酒を飲んで、慧の目を思い出してみた。
日に日に優しくなっていくなぁと思っていたが、そのまま信じていいのか・・・・・。
アカネが優しく微笑んで言った。

「凛先生が男関係でそんなに悩んでるとこ、初めて見た。まあ、歳とると、あれこれ考えて慎重になっちゃうからねえ。酔った勢いでさ、バーン!といっちゃいなよ。今日なんかチャンスじゃない?いっちゃえいっちゃえ!」
「いっちゃえって、何がですか」
「キスくらいいっちゃえー!」
「!?」
「 それにしてもさ、‘酔った勢い’って便利だと思わない?もし後悔したら、あとから『あれは酔った勢いだった』って言って、何も無かったことに出来るんだから。魔法の言葉よね」
「何が魔法の言葉なんですか?」

慧が突然現れて、凛はギク!として体を強張らせた。

「あ、で、電話終わった?」
「芦屋先生に頼まれたコンパのことで、日程調整してた」
「そ、そっか。無事開催できそう?」
「うん」
「じゃ、そろそろ帰ろうか」
「そうだね」

会計を済ませて立ち上がる。
アカネがお釣りを渡しながら言った。

「凛先生、あまり考えすぎるのも良くないよ。頭じゃなくて、時には心の目で見ることも必要だよ。ご家族のことも、恋愛のこともね」
「・・・・・・・はい」

アカネが一瞬、母親のような暖かい眼差しで凛を見つめる。
すぐにニカ!っといつもの豪快な笑顔になった。

「そしてたまにはお酒の力を借りる!」

あはは・・・・・・と凛は苦笑した。
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