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飛べないあの子
第4章 刻まれるキス
「すごい疑り深いね。そんな深読みしないで、額面通りに受け取って」
「・・・・・・・・」

慧がぎゅっと両手で凛を抱きしめた。
慧の腕と胸板で包まれることによって自分の肉体の感触を感じる。
凛は不思議な気持ちになった。
身長差のせいなのか、慧の抱き方なのか、ぎこちなさや違和感を全く感じなかった。
しっくりくる、という言葉が頭に浮かぶ。
抱きしめられているのが心地よいと感じる。昨日、電車で感じたことはやっぱり嘘じゃなかった。抱きしめてほしかったのだと実感する。
凛も背中に手をまわしてみる。少し力を入れてきゅ、と抱きしめた。
目を閉じるとアルコールのせいで思考がいつもよりふわふわしているのがわかる。

(最後の一杯、余計だったなァ・・・・・・・)

慧は背中を反らせて上半身を離すと、顎を引いて凛を見下ろした。

「明日になったら無かったことにしてもいいから・・・・・・・キスしていい?」
「・・・・・・・・・」

慧はやはり、魔法の言葉についての会話を聞いていたのだ。
‘逃げ’を作ってキスをしようというのは、自分のためか、凛のことを考えてか・・・・・。
慧がどういうつもりでキスしようとしてるのかを知りたくて、慧の目を見つめ返す。
慧の気持ちを読み取ろうと、じっと見つめてみる。

『心の目で見ることも必要だよ』

アカネの言葉が思い出される。

(私の心・・・・・・・?私の心は・・・・・・・・)

凛は自分の心の奥を探ってみた。

(この人がどんなキスするのか、知りたい・・・・・・・)

アカネさん、好奇心でキスしてもいいんですか?と心の中で問いかける。
アカネのいっちゃえ!いっちゃえ!が聞こえた気がして、内心クスリと笑う。
凛は決心して答えた。

「・・・・・・・私、今日はけっこう酔ってるから、本当に無かったことにするかもしれないよ?」
「いいよ」

意思を確認するようにしばらく見つめ合う。
どちらからともなく距離を詰めて、唇を合わせた。
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