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飛べないあの子
第4章 刻まれるキス
不忍池に続く幅の広い石段を降りていく。
正面に池が見え、その向こう側にチラホラと夜景が見える。
ランニングウェアを着た夫婦らしき若い二人組が階段を上っていった。
心細いくらいに静かだった。
池の前のベンチに二人で座る。
凛の手の甲を指で撫でながら、慧はとても嬉しそうだった。
「西辻くん・・・・・・なんか楽しそう・・・・・」
「わかる?やっとこの時がきたのかと思うと、浮かれちゃうもんだね」
「・・・・・・・・・」
慧は凛の背中部分の背もたれに左腕をかけて、クスリと笑った。
「またその顔。少しは笑ってよ」
「だって・・・・・・・。なんか、ゲームクリア目前!みたいな雰囲気だから・・・・・・」
「鋭いなぁ。まあ、白状するとそういう気持ちもあったんだけど。色々覆されて、それが嬉しいという感じかな」
「どういう意味?」
「中谷さんとのキスが予想よりずっと良くて、嬉しいっていう意味」
慧は、凛の手を優しく握った。
「では問題です。このあと二人はどうするでしょう。①西辻くんは、我慢できずに中谷さんにめちゃくちゃなキスをして、あとから怒られてしまう」
「?」
突然、何かの問題文を読むように慧が言った。
慧も顔に出てないが、どうやら酔っているみたいだ。
「②西辻くんは、中谷さんを刺激しない程度の優しいキスを長い時間をかけてした」
「・・・・・・・・・」
「③仲良く手を繋いで途中何度もキスしながら帰った。さあ、どれが正解でしょう?」
凛の希望を聞いているのか、凛がどれを選ぶのか試しているのか。
(これは・・・・・・どれを選んでも正解というパターンでは・・・・・・?)
ずるいなぁと思いながらも、何が正解かわからないので無難な答えを選ぶ。
「・・・・・・・②?」
凛は自信なさげに答えた。
「正解」
慧が少年のように笑った。
その可愛らしさに、凛も思わず笑う。
慧が一瞬驚いた顔をした後、たまらないといった顔をした。
「まいったなー・・・・・。すっごい可愛い・・・・・・」
正面に池が見え、その向こう側にチラホラと夜景が見える。
ランニングウェアを着た夫婦らしき若い二人組が階段を上っていった。
心細いくらいに静かだった。
池の前のベンチに二人で座る。
凛の手の甲を指で撫でながら、慧はとても嬉しそうだった。
「西辻くん・・・・・・なんか楽しそう・・・・・」
「わかる?やっとこの時がきたのかと思うと、浮かれちゃうもんだね」
「・・・・・・・・・」
慧は凛の背中部分の背もたれに左腕をかけて、クスリと笑った。
「またその顔。少しは笑ってよ」
「だって・・・・・・・。なんか、ゲームクリア目前!みたいな雰囲気だから・・・・・・」
「鋭いなぁ。まあ、白状するとそういう気持ちもあったんだけど。色々覆されて、それが嬉しいという感じかな」
「どういう意味?」
「中谷さんとのキスが予想よりずっと良くて、嬉しいっていう意味」
慧は、凛の手を優しく握った。
「では問題です。このあと二人はどうするでしょう。①西辻くんは、我慢できずに中谷さんにめちゃくちゃなキスをして、あとから怒られてしまう」
「?」
突然、何かの問題文を読むように慧が言った。
慧も顔に出てないが、どうやら酔っているみたいだ。
「②西辻くんは、中谷さんを刺激しない程度の優しいキスを長い時間をかけてした」
「・・・・・・・・・」
「③仲良く手を繋いで途中何度もキスしながら帰った。さあ、どれが正解でしょう?」
凛の希望を聞いているのか、凛がどれを選ぶのか試しているのか。
(これは・・・・・・どれを選んでも正解というパターンでは・・・・・・?)
ずるいなぁと思いながらも、何が正解かわからないので無難な答えを選ぶ。
「・・・・・・・②?」
凛は自信なさげに答えた。
「正解」
慧が少年のように笑った。
その可愛らしさに、凛も思わず笑う。
慧が一瞬驚いた顔をした後、たまらないといった顔をした。
「まいったなー・・・・・。すっごい可愛い・・・・・・」