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飛べないあの子
第4章 刻まれるキス
西辻慧はこっそり中谷凛を見つめていた。
昨日のキスがずっと頭から離れない。
凛は何事もなかったかのように涼しげな表情でとなりの席の男性講師と話をしている。

慧は内心イライラしていた。
昨日は、あんなにとろけた表情で、無防備に体を預けながらキスしていたくせに・・・・・・。

結局、あれから②のあとに①をして、③も実行した。
激しいキスをしている時は、もしかしたら絶頂を迎えるんじゃないかというほど感じていた。
キスだけであれじゃあ、セックスの時はどうなるんだと好奇心がそそられない男なんかいない。
普段の凛を見ていたら、さぞかしセックスも淡白だと思うのが普通だ。

それなのに、キスだけであんなに感じて・・・・・・。
今すぐどこかの部屋に凛を連れ込んで、昨日と同じ目に合わせてやりたい気分だった。

慧は外の空気を吸って気分転換をしようと、ペットボトルの水を持って非常階段に向かった。

凛を最初に見た時のことを思い出す。
表情がなく、目も合わせない。意図的にそうしているようだった。

(どこかで会ったことがある?)

歳が同じということをたよりに、帰ってから中学と高校のアルバムを見てみた。
名前で見つけて写真を見るが、全く思い出せない。
今より髪は短く、肩の上ほどの長さで、笑うこともせず口はひき締められている。
意思の強そうな目が今と変わらずそこにあった。

(高校の時じゃ、仕方ないか・・・・・・・)

自分の高校時代の高慢さは自覚していた。
誰もが自分をちやほやした。友人、友人の親、教師、先輩、後輩、同級生・・・・・・。
成績が一番だったということだけじゃなく、親の仕事が関係していることもわかっていた。
あの頃は親のことを嫌いながらも、親の権力にあぐらをかいているような、中途半端な子どもだった。
自分でもあの頃の自分が嫌いなのだから、凛の中で印象が悪いのも頷ける。
でも、もう何年も前の話だ。大人になった今もあの頃の印象で接せられても困る。
これから同じ職場で働くなら尚更だ。

『あなたのことなどどうでもいい』と言われて、少なからず傷ついた。
話をして誤解を解きたいが、凛の態度はどんどん硬くなっていっていく。

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